人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ロシアとMacと日本語 irkutsk.exblog.jp

関心のあるいろんなこと書きます


by irkutsk
カレンダー

「カリーナの林檎~チェルノブイリの森~」を見に行きました(12月5日)

「カリーナの林檎~チェルノブイリの森~」を見に行きました(12月5日)_d0021786_17233134.jpg名演小劇場に「カリーナの林檎~チェルノブイリの森~」を見に行きました。
映画は8歳の可愛い女の子カリーナ(本名はアレーシャだがカリーナという名前が気に入ってカリーナと自分のことを呼ばせている)がおばあちゃんと二人で田舎に住んでいるシーンから始まる。ここがどこなのか、どうしたカリーナは一人でおばあちゃんと住んでいるのか、わからないままに見ていくと、ここはチェルノブイリ原発から30キロ圏内の立入り禁止区域に隣接したゴメリ州ホイニキ市の外れであることがわかった。かつての幼馴染のユーリャのうちを訪ねるが彼女は引っ越していって、いない。湖とみどりの野原と森に囲まれた田舎で楽しい夏休みをおばあちゃんのところで過ごしているのだった。

お父さんは仕事でモスクワに行っており、お母さんは病気で入院している。そのため彼女はベラルーシの首都ミンスクのおじさんの家に預けられていた。夏休みが終わる日、おじさんが車で迎えに来る。「どうしておばあちゃんとここにいてはいけないの?」と泣きながらおじさんのうちへ連れて行かれる。お土産の林檎ときのこを渡すが、おばさんは帰ってきたらまず挨拶をしろと言う。そして聞かれたことには答えなさい、食事中に足をぶらぶらさせないなどと細かいことを注意するのだった。

カリーナはかつて両親とおばあちゃんと4人で、ホイニキで暮らしていた。またみんなで一緒にホイニキで暮らしたいと思っているのだった。病院に行って母親から、どんなに辛くても、悲しくても泣いてはいけない。泣いてもいいのは嬉しいときだけと言われ、泣かないと約束する。カリーナの木は堅いから、私も強い子なんだと自分に言い聞かせる。

ある日カリーナはお母さんに「チェルノブイリという街には悪魔のお城があって、悪魔が毒を撒き散らしているのよ」と聞かされる。カリーナは神様が悪魔をやっつけてくれることを願って熱心に神様にお祈りするのだった。しかし、冬になるとおばあちゃんが病気になり、ママの病気も悪化した。カリーナはおばあちゃんのところに行き、おばあちゃんの世話をするのだった。

そしておばあちゃんが治り、カリーナはミンスクに帰ってきたのだが、今度はカリーナが入院しなければならなくなる。そしてカリーナは神様がいつまでを悪魔をやっつけてくれないので、自分で悪魔のところへ行き、毒を撒き散らさないように頼むのだとおばあちゃんのうちを通り過ぎ、立入り禁止区域へ入っていくのだった。

監督は、この映画は2004年に完成していたが、当時チェルノブイリのことは忘れ去られていて、後悔の目処が立たず、途方にくれていたという。月日が流れ、鮮度が失われつつあり、2011年版の「カリーナ」を再編集したが、それは3・11の災害が起こる前のことだったそうです。

そして、福島で原発事故が起こり、現在のチェルノブイリは未来の福島の姿と重なるのでした。安全神話が崩れ、広島原爆30個分の放射能が放出され、広大な地域を汚染しました。しかし、政府の対応はいまひとつまどろっこしく感じられます。東電も政府も正確なデータを示さず「心配ない」というだけで、住民の間には不安が広がるばかりです。チェルノブイリの教訓を生かして、これからの被害を少なくして欲しいと願うばかりです。

「カリーナの林檎~チェルノブイリの森~」 2011年日本 109分 監督・脚本:今関あきよし 出演:カリーナ(ナスチャ・セリョギナ)、おばあちゃん(タチアナ・マルヘリ)他
名前
URL
削除用パスワード
by irkutsk | 2011-12-05 17:23 | 映画 | Comments(0)