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「トガニ」を見てきました(8月8日)

d0021786_2142414.jpgパルコにあるセンチュリーシネマへ「トガニ」を見に行きました。この映画は2005年に韓国光州広域市で実際に起こった事件を韓国の人気作家コン・ジヨンが小説にして発表。大ベストセラーになり、さらには小説を読んだコン・ユが映画化を熱望。韓国で映画が公開されると460万人以上を動員。多くの人が不条理な司法制度を批判し、政府を動かすまでに発展。本作を見た李明博大統領は「意識改革の必要性」を国民に呼びかけ、事件の再調査、法律の改正、そして実在する学校の廃校といった事態にまで及んだ。映画の胃tからが国家をも動かしたのだ。

ソウルからムジン市(架空の町)へ向って車を運転する美術教師イノ(コン・ユ)。恩師の紹介で彼はその町の聴覚障害者の学校の美術教師として赴任したのだった。ソウルには死別した妻との間にできた一人娘ソリを母に預けての単身赴任だった。

校長にあいさつに行くと5000万ウォン出すようにと言われる。「ただで就職できると思っているのか」と言う校長。母親に電話すると母親はうちを売ってその金を作る。

ある日仕事を終わって帰ろうとしていると、子どもの叫ぶ声が聞こえるので、行ってみると、そこは女子トイレだった。入るのをためらっていると守衛がやって来て、「ここの子供はこうやってときどき叫んで憂さ晴らしをしているんですよ」と言う。

他にも職員室で平然と生徒を袋叩きにする男性教師パク、動いている洗濯機の中に女生徒ヨンドゥの頭を押しつけるという常軌を逸した暴行を行なう女寮長ユン・ジャユ。イノはその行為をやめさせ、女生徒を入院させる。そして赴任してくる途中で知り合った人権センターの幹事ユジンに電話する。

そして病院でヨンドゥから筆談で聞き出した事実はイノの想像をはるかに超えたおぞましいものだった。校長や校長に瓜二つの双子の弟の行政室長は複数の生徒たちに対し、性的虐待を行なっていたのだ。怒りに震えるユジンは教育庁に行くと、それは市役所の仕事だと言われ、市役所に行くと教育庁の仕事だと言われる。警察に行っても、校長から買収されている警察は一向に取り合ってくれない。二人はマスコミの力を借りて真実を暴露することを決意。TVカメラの前で自らの体験を語る子どもたちの痛々しい手話はイノの心をえぐる。

そんな折、何も知らない母親はソリを連れてやってくる。そして何も見ない、言わないで仕事をするようにと言い募る母に反発を感じながらもソリの父親として心が揺れるのだった。

そんな折、再び職員室でミンスに暴行を加えるパク教諭を見て、子どもたちを守ることを決意。ミンスもパク教諭から性的暴行を受けていたと告白する。弟も同じように性的虐待を受け、そのショックでぼんやりと線路を歩いていて列車にはねられて死んでしまったのだった。子どもたちの衝撃的な告白がテレビで放映され警察もようやく重い腰を上げ校長たちを逮捕した。

戦いは法廷へと移された。校長側は子どもたちの親に示談を持ちかけ金を払うことで問題を解決しようとした。また判事も校長側の弁護士によって、この事件を最後に判事を退職してあとは自分の事務所で引き受けると言う取引に応じ、被告全員に執行猶予のついた判決を出す。そして控訴も棄却され、校長たちはまた学校を続けることができていた。しかしこの事件が本になり、映画になり、ようやく事件の再調査、学校の廃校が実現した。

金の力で黒を白と言いくるめ、真実が闇に葬られて行く社会を描いたすばらしい作品だった。この事件は韓国で2001年~2005年に起こった事件だが、日本でもいまだに原発の事故の原因が明らかにされないし、だれも責任をとろうとしない。真実を隠して自己保身を図っている人がうようよしていると言う点では日本も全く同じだ。


「トガニ」 2011年韓国 125分 監督:ファン・ドンヒョク 出演:コン・ユ、チョン・ユミ、キム・ヒョンス他
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by irkutsk | 2012-08-08 21:42 | 映画 | Comments(0)