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「プンサンケ」を見に行きました(8月28日)

「プンサンケ」を見に行きました(8月28日)_d0021786_937328.jpg伏見ミリオンザへ「プンサンケ」を見に行きました。
世界で唯一つ残された分断国家、韓国ソウルと北朝鮮ピョンヤンの間を行き来し、3時間以内に何でも配達するという運び屋の話しです。運ぶものは離散家族の手紙やビデオレター、さらには人までも運ぶ。北朝鮮製のタバコ「豊山犬」を吸っていることから“プンサンケ”と呼ばれている。彼への連絡は38度線近くの自由の橋に短冊を書いて掛けておく。プンサンケ(ユン・ゲサン)は定期的にそこで写真を撮り、その短冊の中から自分宛のメッセージを読むという方法だ。

ある日彼は韓国情報院の罠にはまり、当時北朝鮮から韓国へ脱北した政府高官の愛人イノク(キム・ギュリ)を連れてくるようにとの依頼を受ける。彼はピョンヤンに住む彼女の元へ軍事境界線を潜り抜けて行く。そして彼女に事情を話してソウルへ行くことに同意させる。厳しい軍事境界線を突破することは大変なことだ。自分ひとりなら何とかなるが女性を連れて越えるというのは一段と難しい。北朝鮮軍に見つかり、葦の茂みに二人で息をつめて潜んだり、川の中にもぐって北朝鮮軍兵士の目を逃れたり、最後は裸になって身体に泥を塗って闇に紛れ、韓国側のフェンスは持参した伸縮式の棒を使って棒高跳びの要領で飛び越えてソウルへと戻ってくる。

途中川にもぐっていた間にイノクは気を失い、プンサンケは彼女の美しさに心を動かされキスをする。その後人工呼吸をし、彼女は気を取り戻した。韓国情報員とは気がつかずに彼女を渡すと、彼は手錠をかけられる。二人組みの情報員のうち、一人はイノクを元北朝鮮政府高官の下へ送り届け、もう一人がプンサンケを連れて戻ることになっていた。ところがプンサンケに足で首を挟まれ、気を失ったところを逆に手錠をかけられ車につながれることに。

彼はイノクにもう一度会いたくて、愛人の政府高官と外出している車を襲う。イノクはソウルに来て最初は愛人にあえて喜んでいたが、彼が韓国へ来て変わってしまったことやプンサンケへの執拗な嫉妬などから心は離れていく。それと同時にプンサンケへの思いが募っていくのだった。

プンサンケは韓国情報院に捕えられ、厳しい拷問を受け「おまえは南の犬か、北の犬かどっちの犬だ」と執拗な尋問を受けるが彼は決してしゃべらない。北朝鮮に入って捕まった韓国のスパイを救出することを条件に彼は釈放され、ピョンヤンで拷問を受けていた韓国のスパイを救出してソウルへ戻ってくる。ところが約束は反故にされ、再び拘束されるが、救出された韓国の情報員の助けもあって何とか脱出する。

すると今度は北朝鮮から亡命した高官を暗殺するために送り込まれた北朝鮮情報機関に捕まる。ここでも拷問を受け同じように「おまえは南の犬か、北の犬かどっちの犬だ」と拷問を受ける。

最後にプンサンケは南北の情報員を捕えて、自分の住みかに閉じ込める。最初は1対1、3対1、3対3、5対3、5対5、そしてそれぞれのリーダーを拘束して放り込む。密室の中で南北の情報員が殴りあい、対決する。そこへ彼はドアの下の隙間から拳銃を1丁放り込む。それをめぐって争いが起こり、取ったほうが優位に立つ、そこへもう1丁拳銃が放り込まれる、更に機関銃が、手榴弾が。同じ民族同士で争うことの空しさをこのシーンで監督は表しているのではないかという気がした。

プンサンケとイノクの切ない恋心の行方はどうなるのか?プンサンケとは一体何者なのか?最後まで息の抜けない緊張したシーンの連続で、2時間はあっという間でした。

「プンサンケ」 2011年韓国 121分 製作総指揮:キム・ギドク 監督:チョン・ジェホン 出演:ユン・ゲサン、キム・ギュリ、キム・ジョンスほか
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by irkutsk | 2012-08-29 09:37 | 映画 | Comments(0)