「かぞくのくに」を見に行きました(8月31日)

d0021786_1425628.jpg名古屋シネマテークへ「かぞくのくに」を見に行きました。
「ディアピョンヤン」「愛しきソナ」のヤン・ヨンヒ監督の第三作目目。自身の実体験を基にオリジナル脚本として執筆した初フィクション映画です。

70年代に“地上の楽園”と言われ、帰国事業で北朝鮮に移住したソンホが25年ぶりに病気治療(脳腫瘍)のために3か月だけ帰国を許された。25年ぶりの家族団らん。お父さんは朝鮮総連の幹部、お母さんは喫茶店をやっている。妹のリエは日本語学校で日本語を教えている。ソンホには監視役ヤンがついてきて自宅の前の車で監視を続けている。

かつて一緒に青春を謳歌したソンホ16歳の時の仲間たちやソンホの初恋の相手ソナも参加したクラス会。そういう楽しい再開のときにもソンホは25年前のようによくしゃべる陽気なソンホではなく、口数少なく自分のことについてあまり語らない。

そしてある日、監視役ヤンにせかされて、妹に「指定された人と会って、その話の内容を報告するという仕事をやってみる気はないか」と聞く。妹リエはそんな仕事はしたくないと即座に答える。そのあとで私が断わるとお兄さんが困るのかと聞く。

病院で検査を受け、3日後に検査結果が出たが、3か月では治療はできないと断わられる。父は滞在延長の手続きをしようと言い、リエはソンホの同級生であり初恋の相手ソナに相談する。ソナの夫は医者なので。

そんな時突然監視役ヤンに国際電話がかかってきて、「明日、全員帰国するように」とのことだった。「どうして?」と聞き返すが、「決定したことだ」の一言で質問は許されない。ソンホや父親、他の一時帰国者にもそのことが伝えられる。ソンホは決定を受け入れるしかない。そういう国だからと言って。日本最後の夜、リエとソンホは話をするが、ソンホは何も考えないで決められたことをやって生きていくしかない自分の人生だが、リエは自分で考え自分のやりたいことをやってほしいと言う。二人で町へ行ったときソンホはスーツケースを売っているところで、これをもってあちこち行ってほしいとリエにいうのだった。

帰国の日、ソンホの母は監視役ヤンにもスーツを用意し、これを着て帰るようにと言う。監視役の彼にも3人の子供がいるのだった。彼も上からの決定に従って、生きていくしかない人生を歩んでいる人だったのである。だがソンホの母の温かい思いやりを感じて帰っていくのだった。

「地上の楽園」と信じて北朝鮮への片道切符で帰って行った在日朝鮮人の悲劇は残った家族にも悲しい影を落としている。一日も早く南北統一され、自由に行き来できるようになることを願っています。

第62回ベルリン国際映画祭フォーラム部門 国際アートシアター連盟賞受賞作品
「かぞくのくに」 2012年日本 100分 監督:ヤン・ヨンヒ 出演:安藤サクラ、井浦   新、ヤン・イクチュン、京野ことみ
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by irkutsk | 2012-09-01 14:02 | 映画 | Comments(0)