「東ベルリンから来た女」を見てきました(2月20日)

d0021786_22302424.jpg名演小劇場へ「東ベルリンから来た女」を見に行きました。

舞台は1980年、ベルリンの壁が壊され、東西ドイツが統一される9年前。ベルリンの大病院に勤務していたバルバラは、西側への移住申請を政府に撥ねつけられ、バルト海沿岸の田舎町の病院に左遷されてきた。秘密警察の監視付きで、新しい病院での仕事が始まる。

同僚アンドレから寄せられるさりげない優しさも秘密警察への密告ではないかと猜疑心が働く。西ベルリンに暮らす恋人ヨルクとの秘密の逢瀬やいつも監視されている毎日に神経がすり減っていく。

ある日、トルガウの強制収容施設から逃亡して、髄膜炎を発症した少女ステラを警察が連れてくる。アンドレは血清を作っていて、ステラの妊娠に気づく。そしてそれをバルバラに話す。バルバラはステラに寄り添い、彼女に優しく接した。ステラの方もバルバラに心を開くが、突然人民警察によって強制退院させられてしまう。

バルバラは恋人ヨルクが準備した逃走資金を協力者から受け取り、森に隠して自宅に帰ると秘密警察が来ていて、家宅捜索と屈辱的な身体検査が行われる。

そして西側への脱出が近づいたある日、マリオという少年が自殺未遂で運び込まれる。レントゲン検査の結果、脳に血栓がある可能性がわかった。彼のもとを恋人が訪ねてくるが、彼は彼女のことがわからず、給食の献立の話ばかりをするという。その話を聞いたバルバラは頭蓋骨内出血による記憶障害を直感し、同僚の医師アンドレを探す。彼は市場の閉まっているカフェで秘密警察のシュッツの妻にモルヒネを注射していた。彼女は末期ガン患者だったのだ。嫌悪感を示すバルバラにアンドレは、病人なら助けると答える。

西側への脱出の日、彼女のアパートに施設を逃げ出したステラがやって来て、一緒にいてと叫ぶ。バルバラは彼女を連れて脱出のための待ち合わせ場所に向かうのだが…。

医師として患者と真剣に向き合う彼女の姿勢、そしてやはり真摯に患者と向き合うアンドレ、お互いに心を通わせ始める。一方バルバラはヨルクとの愛のために西側への脱出を試みようとする。

東西ドイツがあんなにもすぐに統一されるとは誰が想像し得たであろうか。東西分断の悲劇は数え切れないぐらいあるだろう。この映画はその中の一つを取り上げたものである。

2012年ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)受賞、2013年アカデミー賞外国映画賞ドイツ代表決定

「東ベルリンから来た女」 2012年ドイツ 105分 監督:クリスティアン・ペッツォルト 出演:ニーナ・ホス、ロナルと・ツェアホルト、ヤスナ・フリッツィー・バウアーほか
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by irkutsk | 2013-02-20 22:30 | 映画 | Comments(0)