「少年H」を見に行きました(9月1日)

d0021786_21475138.jpg名古屋駅前のピカデリーへ「少年H」を見に行きました。

妹尾河童の自伝的小説を映画化したものです。主人公・妹尾肇は昭和5年生まれ。腕白だが根は真面目で、正義感が強い。舞台は神戸で、父・盛夫は洋服屋を営んでおり、母・敏子は熱心なクリスチャンである。昭和7年生まれの妹・好子は優しい心の持ち主だが泣き虫。

父の盛夫は仕事柄、神戸の外国人を相手に洋服の仕立てや、補修をしていた。時代は日本が戦争へと突き進んでいた昭和16年。肇一家が通っていた教会のアメリカ人宣教師が時代の波を受けアメリカへ帰国した。そして肇宛に絵葉書を送ってきた。それを友達に見せたために、学校で机に「スパイ」と書かれる。

父親も警察に連行され、外国人のところへ出入りしていたということでスパイ容疑をかけられる。

やがて戦況が悪化し、神戸にも空襲があるようになり、妹の好子は田舎の親戚へ疎開させられる。父親は洋服屋をやめ、消防職員になる。肇は中学校で軍事教練に明け暮れる毎日だった。

そして昭和20年3月、神戸への大空襲で肇の家も燃えてしまった。幸い家族はみな無事で、終戦を迎える。肇はついこないだまで、日本は負けない、鬼畜米英を本土決戦でやっつけると息巻いていた軍人や近所の退役軍人たちが、手のひらを返したように、アメリカ兵に媚を売る姿を見て納得できず、怒りを覚える。

しかし、妹が疎開先から戻り、父もミシンを修理して洋服屋を再開し、新しい日本で生きていこうとする。肇も自分の生き方を探し、生きていこうとする。

日本は今、再び戦前のように事実を国民が知らされず、戦争への道へ突き進もうとしているが、その行き着く先がどんな社会なのかを暗示しているような映画でした。

時代の波に流されず、マスコミが流している情報は一面的であるということを肝に銘じ、今日本で、世界で何が起こっているのか、時代がどんな方向へ行こうとしているのかを自分の頭で考えなければ、70年前の悲劇をくりかえすことになると思いました。

この映画は非常にタイムリーな映画でしたが、観客は中高年ばかりで、若い人がほとんどいなかったのは残念でした。

「少年H」 2013年日本 122分 監督:降旗康男 出演:水谷豊、伊藤蘭、小栗旬, 原田泰造, 吉岡竜輝, 早乙女太一, 岸部一徳, 佐々木蔵之介, 花田優里音, 國村隼ほか
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by irkutsk | 2013-09-01 21:48 | 映画 | Comments(0)