柳家さん喬独演会を聴きに行きました(11月6日)
前座は柳家さん弥の「雑俳」。続いて柳家さん喬の「そば清」、「明烏」。そして中入りのあとは「文七元結」。
本所達磨(だるま)横町に住む、左官の長兵衛。腕利きの左官屋・長兵衛だが博打にはまってしまい、借金を50両も作ってしまい、大晦日の日もすってんてんされ、ふんどし1枚にはっぴを着てうちに帰ってくる。すると今年17歳になる娘のお久がいない。
夫婦でいがみ合っているところへ、出入り先の吉原・佐野槌(さのつぢ)から使いの者が来る。お久を預かっているからすぐに来るようにとの女将さんの伝言を持ってきた。
着る物のない長兵衛は女房の着物を着て吉原・佐野槌出かける。お久は自分が身を売って金をこしらえ、父親の博打狂いを止めさせたいと、涙ながらに頼んだという。女将さんにこんないい子を持って、何でお前は博打にうつつを抜かしているのかと意見され、50両を貸してくれることに。ただし、来年の大晦日までに50両返せなかったら、私は鬼になってお久に客を取らせるよと言われる。
ところがその帰り道、吾妻橋にかかったところで若い男・文七が身投げしようとしているのを助け、事情を聞くと、得意先に集金に行った帰りにそのカネをすりに取られてしまったので、川へ身を投げようとしているのだという。そこで長兵衛は借りたばかりの金を文七にやってしまう。
50両をもらった文七はようやく店へ帰ることができ、主人に集金してきた50両を渡す。だが、摺られたと思っていた50両は得意先で囲碁をやっていて忘れてしまい、困っているだろうと届けてくれたという。
店の主人は吉原からお久を身請けし、翌朝、文七を連れて長兵衛のもとを訪れる。そして50両とお礼の酒を持っていく。その後文七とお久は夫婦になり、元結の店を開いたという話。
「文七元結」は人情物で、さん喬の熱演に思わず聞き入りました。以前にも「文七元結」は聞いたことがありますが、今日の「文七元結」は最高でした。