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「日本の悲劇」を見に行きました(12月18日)

d0021786_17491528.jpgキノシタホールへ「日本の悲劇」を見に行きました。今日は雨ということもあり、観客は1人でした。

映画は末期の肺癌で治療を続けないと余命3カ月と言われた父・不二男(仲代達也)と息子・義男(北村一輝)がうちへ帰ってくるところから始まる。母親(大森暁美)は1年前に亡くなっていた。生活は父親の年金が頼りだ。翌日、父親は母の遺骨が置いてある部屋に閉じこもり、中から板を打ちつけ開かないようにした。そして息子に無理やり開けようとするとノミで自分の首を掻っ切ると脅す。

映画は過去の家族のシーンを父親の不二男が思い出しているという形で、かつての幸せな生活が映し出される。義男が結婚して、待ち望んでいた初孫ができ、孫のひろ子を連れて夫婦で帰ってくるシーンが幸せの頂点だった。

その後、息子の義男はうつ病になり自殺しようとする。そして突然家族を捨てていなくなってしまう。嫁の知子(寺島しのぶ)は離婚届を持って実家を訪れ、両親の話も聞かずに帰っていく。

その後、義男は実家へ帰ってくる。長野の精神病院に入院していたという。帰ってきてからも妻には連絡を取ろうとしない。

そして、母親が倒れ、4年間その看病をする。そして東日本大震災で知子とひろ子を亡くす。今度は父親が肺癌で入院し、手術を受ける。そしてこれ以上の治療を拒否して、退院してしまう。

小林政弘監督がこの映画を作るきっかけとなった事件は、2010年7月、父親の年金が生活のよりどころだった長女が、父親の死後もその事実を隠し続け、年金や給付金を不正に受け取っていたという事件であった。どこの幸せな家庭にも起こりうる家族の物語である。

年間自殺者27,766人(2012年)、非正規雇用率50%以上、うつ病患者数が100万人を超えているという日本。こんな日本に誰がした!

「春との旅」の小林政弘監督が描く日本の実態に他人事とは思われないものがある。

ただ白黒映画でかつ画質も8ミリで撮ったかのようなピントの甘い、そして画面が暗い映画だったのは、何か狙いがあってのことだと思うが、カラーで全編撮ってもよかったのではないかと思われた。12月27日まで上映中。

「日本の悲劇」 2012年日本 101分 監督:小林政弘 出演:仲代達也、北村一輝、大森暁美、寺島しのぶ
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by irkutsk | 2013-12-18 17:49 | 映画 | Comments(0)