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「ワレサ 連帯の男」を見に行きました(4月21日)

d0021786_2116548.jpg 名演小劇場へ「ワレサ 連帯の男」を見に行きました。平日はいつも空いているのに、1階の小さい方の劇場だったせいかかなり混んでいました。

 映画は1980年代初頭、グダンスクのレーニン造船所で電気工として働くレフ・ワレサの家に、イタリアから著名な女性ジャーナリスト、オリアナ・ファラチが取材に訪れたところから映画は始まる。
ワレサは彼女に、1970年12月に起こった食料暴動の悲劇から語りだす。物価高騰の中で労働者の抗議行動を政府が武力鎮圧した事件だ。この時、ワレサは両者に冷静になることを叫び、検挙された際、公安局に協力するという誓約書に署名を強いられた。

 グダンスクのアパートで質素に普通の生活を送っていたワレサとその妻ダヌタ、そして産まれてくる子供たち。この事件以降、一家は、歴史的転変期の真只中に深く関わってゆき、ワレサはその中で次第に類まれなカリスマ性と政治的感性を発揮してゆく…。

 映画を見終わって、何か物足りなさを感じた。ワレサと妻・ダヌタのお互いを信頼し、愛し合っている光景は微笑ましく、ワレサを支えた妻の役割が大きかったことがよくわかった。一方、政治状況は私の不勉強もあり、いまいちよくわからなかった。ポーランドの人たちが見れば、何年にどういう事件があり、どうなったかという事をよくわかっているからもっとよく理解できたであろうが。映画も80年代初頭のイタリア人のインタビュー場面が時々現れたが、どうしてこんな回りくどい設定にしなければならなかったのかよくわからない。時系列的に1970年の食糧暴動から始めてもよかったのではないか。あるいは自主管理労組を作ったところから回想させていってもよかったのではないか。

 ワレサは何回も逮捕されるのだが、すぐに釈放され、逮捕されると一人になれるので、考え事が出来るなどと言っていた。10年前に辞めさせられたレーニン造船所のストライキに元同僚に頼まれて彼が乗り込んでいくというのも、日本の感覚では不思議に思えた。

 何はともあれ、彼がポーランド民主化のために果たした役割は大きかった。しかし、今のポーランドはどうなっているのだろうか?ソ連のくびきから解放されたが、いまNATOに加盟して対ロシアの前線基地としての役割を担わせられようとしている。大国の狭間で生きていかなければならない小国の厳しい現実だ。

「ワレサ 連帯の男」 2013年ポーランド 127分 監督:アンジェ・ワイダ 出演:ロベルト・ヴィェンキェヴィッチ、アグネシュカ・グロホフスカヤほか
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by irkutsk | 2014-04-21 21:15 | 映画 | Comments(0)