「ダーク・ブラッド」を見てきました(5月12日)

d0021786_2162881.jpg名演小劇場へ「ダーク・ブラッド」を見に行きました。

かつて白人がネイティブ・アメリカンを迫害し、核実験を繰り返していた砂漠が広がるアメリカ南西部。倦怠期を迎えた俳優夫婦のハリー(ジョナサン・プライス)とバフィー(ジュディ・デイヴィス)は、2人の関係を立て直すため2度目のハネムーンのつもりで、ハリウッドから週末旅行にやってきた。しかし、運転していたベントレーが故障してしまい、無人の荒野で夜を過ごす羽目に。朝まで車内で待つと言うハリーに苛立つバフィーは助けを呼びに行く。遠くにかすかに見えた光を頼りに砂漠を歩き続けた彼女は、今にも倒れそうな掘建て小屋を見つける。そこに住むホピ・インディアンの血が8分の1流れる青年ボーイ(リヴァー・フェニックス)は、ネイティブ・アメリカンの妻を白血病で亡くして以来、社会との関係を絶って、1人で暮らしている。世界の終わりが近づいていると信じる彼は、地下にシェルターを作っていた。そこには、偉大な書物、ビタミン剤、魔法の力を持つといわれるカッチーナ人形など、世界終焉後にも保存されるべきものが集められていた。憔悴したバフィーを見たボーイは、彼女を手に入れたいという欲望にかられる。バフィーはそんなボーイの思惑に気づかず、助けてもらおうとハリーと車の元へボーイを連れていく。ハリーとバフィーは車を近くの町で修理を出すために、ボーイの小屋で待つことになる。バフィーは次第にボーイの危うさや純粋さに惹かれていくが、ハリーはボーイが自分とは相容れない人間であることを察し、ボーイも軽蔑する白人文化を象徴するようなハリーを忌み嫌う。3人の間に流れる空気は、次第に緊迫していく……。

アメリカのネバダ砂漠で道に迷うということが、どんなことなのか。死にもつながる恐ろしいことだということがよくわかりました。昼と夜の気温差は大きく、水なしではとても歩けない。ガラガラヘビもいてとにかく危険がいっぱいである。しかも核実験場の近くであるため放射能汚染されているところがある。ボーイの妻も放射能の影響で白血病にかかって死んだ。

ボーイが自分たちをちっとも町へ送ってくれないことにいらだつハリーは、お金で彼を動かそうとするが、それがいかにも資本主義的である。暴力で先住民を追い出し、金の力で彼らを従わせてきたアメリカ白人に対するアンチ・テーゼのようでもあった。

一刻も早く砂漠から脱出したいと思っているハリー、バフィーと少しでも長くいたい、そして彼女をものにしたいボーイ。ハリーと一緒に町へ帰りたいが、ボーイにも惹かれるバフィー。3人の思惑と計算が導いた結末とは……。

この映画は主役のリヴァー・フェニックスの死によって未完となっていたが、ジョルジュ・シュルイツァー監督が自らの手で完成させたものである。そのため収録できていない部分は、語りによって場面の説明がなされている。

「ダーク・ブラッド」 2012年アメリカ=イギリス=オランダ 86分 監督:ジョルジュ・シュルイツァー 出演:リヴァー・フェニックス、ジュディ・デイヴィス、ジョナサン・プライスほか
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by irkutsk | 2014-05-12 21:06 | 映画 | Comments(0)