「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」を見に行きました(7月14日)
舞台は1830年のイタリア。酒とギャンブルと女におぼれる天才ヴァイオリニスト・パガニーニ(デビッド・ギャレット)は、ホテルの支払いにもこと欠くほどお金がなかった。そのパガニーニの前に謎の男ウルバーニが現れ、マネージャーを買って出る。そして巧みな戦術でパガニーニの天才ぶりはヨーロッパ中に知れ渡り、イギリスの指揮者ワトソンからの招きでロンドンへ渡る。ところがロンドンで待っていたのは道徳向上を目指す女性同盟からの激しい抗議デモだった。パガニーニの天才ぶりだけでなく、彼の放蕩生活も知れ渡っていたのだ。
彼を招いたロンドンの指揮者ワトソンは前金を払うために、家財を売り払い、メイドも解雇していた。そのうちへパガニーニがやって来ることになり、彼の娘シャーロットはメイドとして彼に紹介される。しかし、そのお芝居もシャーロットの堪忍袋の緒が切れて、ばれてしまう。ロイヤル・オペラ・ハウスでのチケットは売れず、どうなることか危ぶむワトソンにウルバーニは満員にして見せると豪語し、その成功のための策を練るのだった。
そして歌手を目指すシャーロットの歌声に引かれたパガニーニはコンサートで彼女にアリアを歌わせ、自らその伴奏を引き受けるのだった。大成功の夜、ウルバーニの計略に引っかかったパガニーニは、シャーロットと思って別の女を抱いて一夜を過ごす。そこへパガニーニからの手紙をもらった(その手紙は昨夜パガニーニが書いたもので、ウルバーニはそれを朝になって届けさせたのだった)シャーロットがやって来る。
ヨーロッパに戻ったパガニーニは何度かシャーロットに手紙を書き、一緒にコンサートをやろうと誘うのだが、彼女の返事は否定的なものだった。
やがてパガニーニは、健康を害し、臨終の間際に司祭がやって来るのだが、それを拒否した。そのため今もパガニーニの墓は教会の敷地内には作らせてもらえなかった。彼のヴァイオリンの演奏技術があまりにも人間離れしていたので、悪魔に魂を売って、その技巧を手に入れたのではないかと言われている。
映画の中でパガニーニ役を演じ、見事なヴァイオリンの演奏を聞かせてくれるデヴィッド・ギャレットも素晴らしく、またアリアを歌うシャーロット役のアンドレア・デックの歌声も素晴らしかった。音楽映画としては最高の出来映えだと思う。
「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」 2013年ドイツ 122分 監督:バーナード・ローズ 出演:デビッド・ギャレット、ジャレッド・ハリス、アンドレア・デック、クリスチャン・マッケイ、ジョエリー・リチャードソン
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