「2つ目の窓」を見に行きました(7月28日)

d0021786_20192717.jpg伏見ミリオン座へ「2つ目の窓」を見に行きました。奄美が舞台の映画ですが、全体としてくらーい雰囲気の映画です。高校1年生の界人(カイト)と杏子(キョウコ)の物語なのですが、それぞれの家庭の様子がえがかれており、それぞれの事情のある家庭に育った二人の若者らしい気持ちがリアルに描かれています。

最初のシーンは山羊の首をカッターで切り裂き、血を抜くシーンだ。このシーンは絶対に外せないと監督は言う。

次のシーンは島に伝わる”八月踊り“の夜。界人は海岸に浮かんでいる、入れ墨の男の死体を見つけ、逃げ出す。それを見ていた杏子。

界人の両親は界人が小さいときに離婚し、父親は東京に住んでいる。界人は母親と二人暮らしだが、母親はしょっちゅう男を自宅に連れ込んでいる。海岸で見つけた入れ墨の男も母とセックスをしていた男だった。

一方、杏子は母親が島の人びとの相談を受けるユタ神様なのだが、病気で余命いくばくもない。最後を自宅で過ごしたいとの希望で自宅へ戻ってくる。父親は自宅に隣接する喫茶店をやっている。母親のイサは「たとえこの世を去っても、お母さんの想いはここにたしかにあるし、ぬくもりはあなたの心の中に残るのだから」と言われても、肉体が消えたら会えないという現実を、杏子は受け入れられない。だが、イサは「自分の命は杏子につながっているし、いつか杏子が生む子どもにもつながってゆく。だから死ぬことはちっとも怖くないの」と娘にやさしく語りかける。

界人は東京へ実の父親に会いに行くと母・岬に告げ、父親と会うのだが。父親は入れ墨職人をやっていた。そして母親との出会いは運命だったと言う父に、「運命だったら別れたりしないし、ずっと一緒にいることが運命なんじゃないの」と界人は父に気持ちをぶつける。

そしてある晩、界人は母・岬の男関係をなじり、外に飛び出す。そして家へ帰ると、母親はおらず、必死で探し回るがどこにもいない。杏子と会って、杏子が「セックスしよう」と言うが、界人はできないと言う。母親のことが彼の心に引っかかっていたのだろう。

暗く重い映画で終わるのかと思っていたら、界人は母を許し、杏子とは結ばれる。最後の二人が手をつないで海の中を泳ぐシーンがとても美しかった。

「二つ目の窓」が何を意味するのか? 死後の世界? 山羊を殺すシーン、杏子の母・イサが死ぬ。そして死期を間近にしたイサは近所の人に来てもらって、歌を歌ったり、踊ったりしてもらう。人は誰でも必ず死ぬものだ、そして死んだら故郷へ帰るのだという死生感があるのではないだろうか。生きているものは、その生を思い切り生きなくては。

河瀬監督は次のように語っている。「。「“他人同士が互いを受け入れ、認め合う”というのが私自身の考える今回の根底にあるテーマ。他人同士のふたりが手を取り合い、一緒に扉を開けると、その先にはきっと素晴らしい未来と世界が広がっているのではないだろうか? これからを生き、時代を築く人たちにそういうひとつの願いを託したことは確かです」。

「2つ目の窓」 2014年日本 120分 監督:河瀬直美 出演:村上虹郎、吉永淳、杉本哲太、松田美由紀、渡辺真起子、村上淳、榊英雄、常田富士男ほか 「2つ目の窓」公式HP
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by irkutsk | 2014-07-28 20:23 | 映画 | Comments(0)