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「めぐり逢わせのお弁当」を見に行きました(9月26日)

d0021786_2036476.jpg名演小劇場へ「めぐり逢わせのお弁当」を見に行きました。

インド・ムンバイのお昼どき、ダッバーワーラー(弁当配達人)たちがオフィスへ弁当を配達する。各家庭から預かった弁当箱を会社に届け、お昼すぎには空になった弁当箱を回収して、自宅へ届けるのが彼らの仕事だ。

イラも4段重ねの夫の弁当を作り、毎日運んでもらっている。間違えて配達されるということは全くと言っていいほどない。だがイラが作った弁当が、なぜか早期退職を控えた男やもめのサージャンのもとに届けられた。イラは戻ってきた空っぽの弁当箱に喜び、サージャンは手料理の味に驚きを覚える。だが、夫の反応はいつもと同じ。不審に思ったイラは、翌日の弁当に手紙を忍ばせる。

それから毎日、お互いに弁当の中に短い手紙を忍ばせて文通することに。だんだんと手紙のやり取りで親密になり、ブータンに住みたいというイラに、物価はインドの5分の1だし、GDPではなく幸福度世界一の国だから、君と一緒なら行きたいという話になる。でもその前に一度会ったほうがいいと、お昼の1時に喫茶店で待ち合わせた。

しかしその日、喫茶店で待つイラのもとへサージャンは現れなかった。出がけに洗面所で剃り残しのひげを剃っていて、おじいちゃんの臭いと同じ臭いが自分からしたのである。若いイラのもとへ年を取った自分が姿を現すことに恐れを抱いて、喫茶店まで行きながらイラに声をかけられなかったのだ。

翌日届けられた弁当は、何も入っていない空の弁当だった。サージャンは彼女をすっぽかした理由を書いてその弁当箱に入れて返した。そして早期退職してふるさとへ帰った。ちょうどそのとき、イラはサージャンの職場までやってきたが、彼はすでに辞めていた。

イラはネックレスや腕輪、結婚指輪を売って、ブータン行きを決意し、彼のふるさとへ手紙を書いた。だが、サージャンは再びムンバイに戻ってきていた。

映画のあちこちから、今のインドの様子をうかがい知ることができたのもよかった。父親の許しがないと結婚できないとか、女は家庭でご飯を作って、子供の世話をし、病人の介護をする。GDPよりもブータンの幸福度世界一にあこがれる。ドアを開けたまま満員の乗客を乗せて走る通勤電車などなど。

イラは近くに住む両親がいたが、父親はがんで余命いくばくもなく、母はその看病に疲れていた。イラが5000リラ貸すというが、嫁に出した娘に借りるわけにはいかないと言う。そしてお父さんは亡くなり、そのこともイラにサージャンとブータンへ行こうと決心させたのかも。でも小学生の娘は?一緒に連れて行くのか?ラストシーンでは「子どもが帰る前に出発しよう」と言っていたので、もし本当に行くのだとしたら、子どもを置いていくつもりだったのか。そのへんのところは、社会が違うので何ともわからない。

生真面目なサージャンと夫に浮気され、相手にされないイラとが間違えて配達されたお弁当を通じて知り合い、心を通わすいい映画でした。

「めぐり逢わせのお弁当」 2013年インド=フランス=ドイツ 105分 監督:リテーシュ・バトラ 出演:イルファーン・カーン、ニムトラ・カウル、ナワーズッディーン・シッディーキーほか
「めぐり逢わせのお弁当」公式HP

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by irkutsk | 2014-09-26 20:34 | 映画 | Comments(0)