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「この国の空」を見に行きました(8月12日)

d0021786_942689.jpg伏見ミリオン座へ「この国の空」を見に行きました。

1945年、終戦間近の東京。19歳の里子(二階堂ふみ)は母親(工藤夕貴)と杉並区の住宅地に二人で暮らしている。父は肺結核で亡くなっていた。度重なる空襲におびえ、雨が降ると雨水が流れ込んで池になってしまう防空壕。日に日に物価は高くなり、まともな食べ物が口にできないが健気に生活していた。

隣には銀行の支店長の市毛(長谷川博己)が、妻と子供は田舎に疎開させて一人で住んでいた。雨の夜、市毛のうちから市毛の弾くヴァイオリンが聞こえてくる。

水浸しになった防空壕のことを話すと、自分のうちの防空壕を使ってくれと言われる。里子は役場に徴用されて仕事をしていたが、田舎へ疎開したい者、東京に残りたい者が周りにはいた。

里子の友達が結婚式を挙げ、彼女たち親子も招待される。そして結婚式に出ていたおじさんに「あんたもそろそろだね」と言われる。毎日、いつ死ぬかもしれない空襲におびえ、若い男はみんな兵隊にとられて自分の周りにはいない。このまま結婚もできずに死んでいくのかという不安に襲われる。

横浜に住む母親の姉である伯母(富田靖子)が焼け出されて、里子のうちへ転がり込む。ただでさえ苦しい生活なので、母親は断るが、里子が一緒に住むことを認める。東京への転入は認められておらず、食料の配給ももらえないので、食事は別々という条件で一緒に住むことに。

農家へ買い出しに行くために、母親は里子の嫁入り道具にと思っていた着物をもって近所の知り合いとともに、彼の戦友がいるという田舎へ3人で出かける。母親は里子に自分の過去を話し、私も一度「男に溺れた」ことがあるという話をする。

里子は隣に住む市毛に惹かれていき、市毛も若さに一番輝いている時期の里子に惹かれていく。そして二人は結ばれるのだが…。戦争がもうすぐ終わるという情報を市毛が持って里子たちのうちへ来る。だが戦争が終わるということは、里子にとっては戦争がはじまるということだ…。

戦争が敗色濃厚になり、3月には東京大空襲があり、その後連日空襲が続き、8月6日と9日には広島と長崎に新型爆弾が落とされ、8月9日にはソ連が参戦して満州国から日本へとやってくる勢いだ。本土決戦が叫ばれる中、このまま愛も知らずに死んでいくのかという虚無感。そして丙種合格だったために残った38歳の市毛が里子の周りにいた男だった。

戦争が作り出した様々な不幸、束の間の幸せ、そして人間が将来のことを考えられない時代を生きざるを得なかった当時の日本人。戦後70年の今、改めて戦争の非人間性を考えさせられる映画でした。

20歳の二階堂ふみの演技が輝いていました。現在の若手俳優の中では非常に輝く存在です。以前からファンだった工藤夕貴も若々しく、きれいで、親子でなくて姉妹といってもいいくらいでした。

映画のエンディングで茨木のりこの「わたしがいちばんきれいだったとき」を二階堂ふみが朗読するのですが、これも最高でした。

「この国の空」 2015年日本 130分 監督:荒井晴彦 出演:二階堂ふみ、工藤夕貴、長谷川博己、富田靖子、利重剛、上田耕一、石橋蓮司、奥田瑛二ほか
「この国の空」公式サイト
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by irkutsk | 2015-08-12 17:03 | 映画 | Comments(0)