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「杉原千畝」を見に行きました(12月16日)

d0021786_1034776.jpgミッドランドスクエアエアシネマへ「杉原千畝」を見に行きました。

ハルピン学院出身の杉原千畝(唐沢寿明)は英語、ロシア語、フランス語、ドイツ語など数か国語を操り、1934年、満州国外交部でソ連から北満州鉄道の経営権を買い取る交渉を有利に進めるための情報を集めていた。翌年、千畝の収集した情報のおかげで北満州鉄道譲渡交渉は、当初のソ連の要求額6億2500万円から1億4000万円まで引き下げさせることに成功した。しかし、情報収集のための協力要請をしていた関東軍の裏切りにより、共に諜報活動を行っていた仲間たちを殺され、千畝は失意のうちに日本へ帰国する。

外務省で働いていた千畝は友人の妹の幸子(小雪)と出会い、結婚。そして念願のモスクワ大使館への赴任を間近に控えていた。ところがソ連は千畝に「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」を発動し入国を拒否した。

1939年、外務省は混迷を極めるヨーロッパ情勢を知るうえで最適の地リトアニア・カウナスにリトアニア領事館を開設し、千畝にその責任者を命じた。そこで千畝は新たな相棒ベシュと一大諜報網を構築し、ヨーロッパ情勢を分析して日本に発信していた。やがてドイツがポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が勃発すると、ナチスに迫害され、国を追われた多くのユダヤ難民が、カウナスの日本領事館へヴィザを求めてやって来た。必死に助けをこう難民たちの数は日に日に増していく。日本政府の了承が取れないまま、千畝は自らの責任で難民たちに日本通過ヴィザを発給することを決断する。

ヨーロッパを分割支配するというソ連とドイツの密約によりリトアニアにはソ連軍が進駐し、千畝が発行した通過ビザを持つユダヤ人実業家の家族は出国できなくなってしまった。

またシベリア鉄道でソ連を横断し、車内ではソ連兵に金目の物を奪われ、ウラジオストクに着いても、難民をこれ以上受け入れることができないという日本からの指示により、船に乗れずに立ち往生していたユダヤ人たちを救ったのは、千畝と同じハルピン学院で学んだウラジオストク総領事・根井三郎であった。

またジャパンツーリストビューロの大迫辰雄、日本のユダヤ教学者小辻節三らの助けもあり、ユダヤ人たちはアメリカ、イスラエル、香港、上海へと安住の地を求めて旅立つことができたのであった。

千畝の外交官としての活動についても映画では触れられており、ドイツが独ソ不可侵条約を破ってソ連へ侵攻する。そうなればドイツに日本を助ける余裕などなくなり、日本はアメリカと単独で戦わなければならなくなり、それでは絶対に負けるとドイツ大使館で主張するが聞き入れてもらえず、日本は千畝の予想した通り、大きな犠牲を負ったうえでアメリカに負けることになった。

当時の混迷するヨーロッパ情勢、そしてヒトラー率いるナチスドイツがソ連と手を組んで破竹の勢いで侵攻していく様子が非常にうまく描かれていた。そんな情勢の中で千畝も外交官として情報収集活動を進め、日本のためにと情報を送り続けたが、その情報は生かされることはなかった。

杉原千畝をユダヤ人の命を救った人道主義者として描くだけでなく、情報収集を主たる任務とする外交官として描いており、厚みのある映画となっている。

「千畝」 2015年日本 139分 監督: チェリン・グラック 出演:唐沢寿明、小雪、ボリス・シッツ、アグニェシュカ・グロホフスカ、ミハウ・ジュラフスキ、ツェザリ・ウカシェヴィチ、塚本高史、濱田岳、二階堂智、板尾創路、滝藤賢一、石橋凌、小日向文世ほか

「杉原千畝」公式サイト
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by irkutsk | 2015-12-16 17:32 | 映画 | Comments(0)