ロシアとMacと日本語

irkutsk.exblog.jp
ブログトップ

「独裁者と小さな孫」を見に行きました(1月24日)

d0021786_9362563.jpgセンチュリーシネマへ「独裁者と小さな孫」を見に行きました。

独裁政権が支配する国。
大統領とその家族は、圧政によって国民から搾取した税金で贅沢な暮しをしていた。 彼は多くの罪なき国民を政権維持のために処刑してきた冷酷で無慈悲な男だった。 ある晩、クーデターが勃発し、大統領を除いた妻や娘たちはいち早く国外へ避難する。 だが、大好きな幼なじみのマリアやオモチャと離れたくない幼い孫は大統領と残ることになる。 やがて街では民衆が暴徒化し、大統領への報復を呼び掛ける怒声と銃声が至るところで轟き、 兵士たちは反旗を翻し、独裁政権は完全に崩壊する――。 今や全国民から追われる賞金首となってしまった大統領は、 小さな孫を抱え逃亡を余儀なくされる。 二人は安全な地へ逃れるべく船の待つ海を目指す。

貧しい床屋からボロボロの服を奪い、羊飼いを装ったり、 可哀そうな炭鉱婦の子供からギターを奪い、旅芸人のように振る舞い、 憐れな死体から赤いスカーフを奪い、孫を女の子に見せかけ、 変装で素性を隠しながら、大統領と孫は海を目指す。

逃げる途中で、彼を大統領と知らない人たちから独裁政治の犠牲になった家族のことを聞かせられる大統領。解放された政治犯と一緒にトラックに乗り、歩けない政治犯をおぶって妻の待つ彼の家まで送っていくのだが、5年前に彼が逮捕された後、妻は再婚していて6か月になる赤ん坊がいた。それを見たその政治犯は鋤で自らの首を刺して自殺する。

大統領と孫はようやく海までたどり着いたが、そこで村人や軍人に発見され追い詰められる。銃殺しようとした軍人に、村人たちはそんな殺し方では気が済まない。孫を縛り首にした後、大統領も縛り首にしろと言い、大八車のようなものを持ってきてそれを立てて首吊り用のロープを二人の首にかける。だが、それでは腹の虫がおさまらない。火あぶりにしろと言う声があり、火をおこして火あぶりの準備をする。そんな中、一緒にトラックに乗って来た政治犯が、「復讐はやめろ」と叫ぶ。暴力の連鎖はどこかで断ち切らなければ、永遠に続くとみんなを説得する。軍人たちにも「クーデターで反体制派になったと言っても、かつてはこの大統領を守り、国民を弾圧していたのに大統領を殺せと言えるのか」、村人にも「お前らもうちの中に大統領の肖像画を飾っていたではないか」と言う。

日本のかつての戦争の責任を追及するとき、軍のトップや政治家の責任を追及するが、体制を支えた人たち(積極的であろうが、消極的であろうが)にも責任はあると思う。その責任を果たすためには、一部の政治家や軍人、資本家の利益のために再び国民の自由や権利を圧殺し、戦争へ駆り立てようとする動きを今押しとどめようと努力することが必要なことではないか。

戦後生まれた私たちには、戦争責任はない。しかし、歴史を学ぶことによって自分たちの国が戦争に反対する国民を投獄、拷問し、他国の国民の権利や自由、財産、生命を力ずくで奪い、また戦争末期には敗戦必至という状況の中でいたずらに降伏を引き延ばし、空襲や原爆、特攻の犠牲となった多くの人たちがいるということを知らなければならないし、一部の人たちによって再び戦争が引き起こされないようにする義務が私たちにはあると思う。これは日本に限ったことではない。戦勝国と言われるアメリカやイギリス、中国でも同じことだ。世界の人がみなこう考えれば、戦争なんてなくすことができるのに。


「独裁者と小さな孫」 2014年ジョージア・フランス・イギリス・ドイツ 119分 監督:モフセン・マフマルバフ、出演:ミシャ・ゴミアシュウィリ、だち・オルウェラシュウィリ、ラ・スキタシュウィリほか
「独裁者と小さな孫」公式サイト
[PR]
by irkutsk | 2016-01-24 17:34 | 映画 | Comments(0)