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「帰ってきたヒトラー」を見に行きました(7月8日)

「帰ってきたヒトラー」を見に行きました(7月8日)_d0021786_1038312.jpg伏見ミリオン座へ「帰ってきたヒトラー」を見に行きました。

舞台は2014年のドイツ。突然1945年からタイムスリップしてやってきたヒトラー。リストラされたテレビマンに見つけられ、彼の復帰の足がかりにテレビに出演させられた。テレビ局のスタッフも、視聴者もヒトラーのそっくりさんだと思い、彼のヒトラーをまねる演技の迫真性に喝采する。ヒトラーは最初戸惑いながらも、カメラの前で堂々と演説を繰り出し、視聴者はその演説に度肝を抜かれる。かつてのヒトラーを模した完成度の高い芸として人々に認知されたヒトラーはだんだんとその本領を発揮していくのだった。

現代の日本には名前こそ違うが71年前の亡霊が今タイムスリップしてきています。国民主権を否定し、まず国家ありき、国民は国家が認める範囲で基本的人権が保障されるという「○○党憲法草案」を堂々と発表できるような社会になっている。日本国憲法を改正して、戦前の大日本帝国憲法の精神を復活させ、再び大東亜共栄圏を作ろうと画策してるのか。日本にタイムスリップしてきているのは肉体を持ったかつての軍国主義者たちではなく、彼らの考えがみごとにタイムスリップして今の首相の頭の中にあり、現代の情報伝達手段を駆使して「私は国民に選ばれたのだ」と豪語している。確かにヒトラーも国民に選ばれたのだ。そういう意味では責任は為政者だけではなく、そういう人物を選んだ国民にもある。

公式サイトの「プロダクションノート」に次のように書かれている。
最初にドキュメンタリー部分が撮影された。ヴェンド監督、撮影監督のハンノ・レンツ、
ヒトラーに扮したマスッチ、そしてディレクターのファビアン・ザヴァツキ役に選ばれた
ファビアン・ブッシュが、ベルリンやミュンヘンといった大都市だけでなくドイツ中を車で回った。政治家やドッグブリーダー、礼儀作法のコーチや陰謀説を唱える人たちとアポを取り、街を行き交う人々にアプローチし、近付いてくる人々と交流した。

ムーラーは「驚くことに、多くの人々が偽のヒトラーを歓迎し、彼と一緒に自撮りをしたがった。民主主義に毒づき、誰かがもう一度ドイツで思い切った手段を取ってくれることを望んでいた人たちもいた」と語る。

ヴェンド監督が付け加える。「まるでポップスターと遭遇したようだった。
彼らは本物のヒトラーであるはずがないとわかっていたけれど、彼を受け入れて心を開いていた。」

ブランデンブルク・アン・デア・ハーフェルの街で、ネオナチ組織NPD(ドイツ国家民主党)のデモに参加した人たちだけが、ヒトラーに扮したマスッチがホテルのバルコニーに立って彼らに向かって手を振った時、困惑の表情を露わにした。

「最初は怖かったよ。恐怖を克服する必要があった」とマスッチは告白する。だが、どうやらヒトラーは、特に女性の注意を引くらしい。何人かの女性がマスッチに「愛してるわ」とハグしたと言う。「もちろん、僕を激しく非難する女性もいた。それは健全なことだと思ったよ。『恐ろしいわ』と言う黒人女性もいた。

僕はヒトラーとしてこれらの状況に対応しなければならなかった。僕が役者だということを完全に忘れている人たちもいた。真剣に話しかけてきた彼らの会話から、彼らがいかに騙されやすいか、いかに歴史から学んでいないかがわかったよ。」

380時間以上に及ぶ撮影素材を持ち帰ったヴェンド監督は、「この旅は非常に恐ろしかったけれど、この映画にセミ・ドキュメンタリー手法を用いたことは正しかったと実感した」と振り返る。「1本の映画で政治や社会を変えることはできないが、この映画を観て、観客たちが討論を始めてくれればうれしいね。」

原作はティムール・ヴェルメシュが2012年に発表した同名の風刺小説である。

「帰ってきたヒトラー」 2015年ドイツ 116分 監督:デビッド・ヴェンド 出演:オリバー・マスッチ、ファビアン・ブッシュ、クリストフ・マリア・ヘルブスト、カーチャ・リーマン、フランツィシカ・ウルフほか
「帰ってきたヒトラー」公式サイト
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by irkutsk | 2016-07-08 17:36 | 映画 | Comments(0)