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「やさしい日本語」を読みました(12月25日)

「やさしい日本語」を読みました(12月25日)_d0021786_16382988.jpg本書の帯には次のように書かれていた。「移民を受け入れると主張するためには、その前提として、その人が日本社会の中に、日本社会の一員として「居場所」を見出すことができ、その人が努力すれば、日本人と対等な立場で競争できる基盤が日本社会の中に用意されている、ということでなければならないと筆者は考えます」。

筆者は「やさし日本語」に求められる性質として、
1、初期日本語教育の公的保障のための「やさしい日本語」
2、地域社会の共通言語としての「やさしい日本語」
3、地域型初級としての「やさしい日本語」
の3つを上げている。

また「やさしい日本語」で重要なのは理解レベルよりも産出レベル。産出レベルで必要である項目数はかなり少ないと言っている。つまり日常生活を行っていくレベルの日本語の項目数はそんなに多くないと言う。

だが、外国人の子どもたちが(来日時の年齢にもよるが)、日本語を習得して、高校、大学へ行って日本人と対等な立場で競争できるというのは「やさしい日本語」では難しいのではないか。日本語母語話者と同じレベルで日本語を理解、産出できなければ。

地域の日本語ボランティア教室や地方自治体、地域社会でのコミュニケーションにおいては「やさしい日本語」を使うというのは、必要であると思う。

移民の受け入れ自体については私は賛成できかねるが、現在、研修生やブラジルからの日系人、中国人、東南アジアが、中東からの多くの外国人が日本社会で生活している現状を見ると、彼らが日本社会でコミュニケーションに必要な日本語を習得するのを政府や地方自治体がもっと積極的に支援してほしいものだ。

「やさしい日本語」 庵功雄著 岩波新書1617 2016年8月19日発行 840円+税
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by irkutsk | 2016-12-25 16:38 | | Comments(0)