「ヒトラーの忘れもの」を見に行きました(12月29日)

d0021786_2093723.jpg1945年5月、ナチスドイツによる5年間の占領から解放されたデンマーク。ドイツ軍が海岸線に埋めた無数の地雷を除去するため、捕虜のドイツ兵たちが駆り出された。セバスチャン、双子のヴェルナーとエルンスト等を含む11名は、地雷を扱った経験がほとんどない。彼らを監督するデンマーク軍のラスムスン軍曹は、全員があどけない少年であることに驚くが、初対面の彼らに容赦ない暴力と罵声を浴びせる。広大な浜辺に這いつくばりながら地雷を見つけ、信管を抜き取る作業は死と背中合わせだった。

少年たちは祖国に帰る日を夢見て過酷な任務に取り組むが、飢えや体調不良に苦しみ、地雷の暴発によってひとりまたひとりと命を落としていく。そんな様子を見て、ナチを激しく憎んでいたラスムスンも、彼らにその罪を償わせることに疑問を抱くようになる。とりわけ純粋な心を持つセバスチャンと打ち解け、二人の間には信頼関係や絆が芽生え始めていた。やがてラスムスンは、残された任務をやり遂げて帰郷を願う少年たちの切なる思いを叶えてやろうと胸に誓うようになる。

しかしその先には思いがけない新たな苦難が待ち受け、ラスムスンは重大な決断を迫られるのだった…。

 第二次世界大戦後のデンマークで、ナチが埋めた200万個以上の地雷を撤去したのは、大半が15歳から18歳のドイツ人少年兵だった。異国に置き去られた彼らは、母国の罪の償いを強いられるように危険な作業を命じられ、半数近くが死亡、もしくは重傷を負ったという。デンマーク国内でも知られることのなかった残酷な史実を題材にした本作は、戦争の矛盾に満ちた現実を浮き彫りにし、観る者に問いかけて来る。

 人は憎むべき敵を許すことができるのか?いかなる残酷な状況においても、生きるための希望を抱き続けることは可能なのか

14人いたドイツの少年兵は4人にまで減り、彼らは与えられた任務を遂行したが、デンマーク軍の上層部は彼らを新たな地雷除去に任務に就かせた。「ここでの地雷除去がすんだら祖国へ帰してやる」と約束していたラスムスン軍曹は新たなに地雷除去に就かされた4人を引き取りに行き、ドイツとの国境まで500mのところで彼らを解放し、ドイツへ帰したのだった。

戦争がもたらした悲劇はあらゆるところにあった。

「ヒトラーの忘れもの」 2015年デンマーク・ドイツ 101分 監督:マーチン・サンフリト 出演:ローラン・モラー、ミケル・フォロスゴー、ルイス・ホフマン
「ヒトラーの忘れもの」公式サイト
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by irkutsk | 2016-12-29 16:29 | 映画 | Comments(0)