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「彼らが本気で編むときは」を見に行きました(7月18日)

「彼らが本気で編むときは」を見に行きました(7月18日)_d0021786_942671.jpgキノシタホールへ「彼らが本気で編むときは」を見に行きました。

やさしさに満ちたトランスジェンダーの女性リンコと、彼女の心の美しさに惹かれ、すべてを受け入れる恋人のマキオ。そんなカップルの前に現れた、愛を知らない孤独な少女トモ。桜の季節に出会った3人が、それぞれの幸せを見つけるまでの心温まる60日。

小学5年生のトモ(柿原りんか)は、荒れ放題の部屋で母ヒロミ(ミムラ)と二人暮らし。ある日、ヒロミが男を追って姿を消す。一人きりになったトモは、叔父であるマキオ(桐谷健太)の家に向かう。母の家出は初めてではない。ただ以前と違うのは、マキオはリンコという美しい恋人と一緒に暮らしていた。それはトモが初めて出会う、トランスジェンダーの女性だった。

きれいに整頓された部屋でトモを優しく迎え入れるリンコ。食卓を彩るリンコのおいしい手料理に、安らぎを感じる団らんのひととき。母は決して与えてくれなかった家庭のぬくもりや、母よりも自分に愛情を注いでくれるリンコに戸惑いながらも信頼を寄せていくトモ。その姿にリンコも愛おしさを覚え始める。

リンコとマキオの出会いは、リンコが介護士として働く老人ホーム。マキオの母であり、トモの祖母である認知症のサユリ(りりィ)が入居している。献身的に自分の母を介護するリンコに、マキオが一目惚れしたのである。

悔しいことがあるたび、編み物をして心を落ち着かせてきたリンコ。そして今は、とある目標に向かい、“煩悩”を編み続けている。やがて“煩悩”作りには、マキオとトモも参加するようになる。

リンコの職場の同僚、佑香(門脇麦)の結婚式。佑香の幸せそうな笑顔に少なからず刺激を受けるリンコ。トモの母になりたい感情が日に日に膨らんでいく…。そんなリンコの思いをマキオは受け入れるのだった。

本当の家族ではないけれど、3人で過ごす特別な日々は、人生のかけがえのないもの、本当の幸せとは何かを教えてくれる至福の時間になっていく。このまま永遠に続くように思えた3人の関係だが、突然、ヒロミが帰ってくる―。

トモのクラスメイト・カイ(込江海翔)も、男の子を好きになる。そしてその自分の気持ちを告白する手紙を書くが、母親・ナオミ(小池栄子)に見つかり、破り捨てられてしまう。その夜、カイは睡眠薬を大量に飲んで自殺を図った。

今まであまり考えたことがなかったトランスジェンダーのことを考えさせられるいい映画でした。今も多数派でトランスジェンダーを認めず、彼らに近づかないようにという、いわゆる「世間の常識」派の母親を演じる小池栄子の演技も憎らしいほど素晴らしかった。

リンコが自分の気持ちを母親に打ち明け、それを受け入れ、リンコを女として育ててきた母親・フミコ(田中美佐子)の存在もリンコが世間の非難にさらされる中、大きな支えになったと思う。

「彼らが本気で編むときは」 2017年日本 127分 監督:荻上直子 出演:生田斗真、桐谷健太、柿原りんか、ミムラ、小池栄子ほか
「彼らが本気で編むときは」公式サイト
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by irkutsk | 2017-07-18 16:58 | 映画 | Comments(0)