2014年 01月 23日 ( 2 )

「iPS細胞の世界」を読みました(1月23日)

d0021786_22212324.jpgiPS細胞についてわかりやすく書かれた本である。第1章の「iPS細胞とは」ではiPS細胞が発見されるまでの研究の歴史がわかりやすく書かれている。ガードン博士による核の初期化の発見の話から始まり、クローン羊ドリーの誕生、ES細胞の発見(受精卵に由来する万能細胞)、そして受精卵を使わない万能細胞であるiPS細胞の発見までの歴史を非常に興味深く読むことができた。

iPS細胞はES細胞の中で働いている遺伝子を体細胞の中で働かせることで、細胞の性質を変えて、ES細胞のような細胞が作れるのではないかと考えて2000年に研究が開始された。しかしES細胞の中で働いている遺伝子は非常にたくさんあり、当時はどの遺伝子を働かせればよいのか、またいくつの遺伝子が関わるのかについて、まったく見当もつかない状況だった。そこで細胞の性質を変える可能性のある遺伝子100種類程度を選び出し、それをさらに24種類に絞込んだ。一つずつ導入しても変化は見られなかった。だが24種を同時に導入するとES細胞らしきものが観察された。そして一つだけ取り除き23種でできるかどうかという実験を繰り返し、ES細胞様の細胞になるために必要な遺伝子の候補4つを突き止めることができた。

人間の体は1個の受精卵から約200種類、60兆個の細胞を作り出している。iPS細胞によって体の仕組み、病気の発症する仕組みや原因を調べることができる。また薬剤の反応を調べ、新しい薬の毒性試験に利用することもできる。さらにiPS細胞から作った細胞を用いて治療する再生医療への応用もできる。

加齢黄班変性の患者が日本には69万人いるが滲出型の場合、まず新生血管を取り除いた後、iPS細胞から作成した網膜色素上皮細胞を移植することで治療できる。またiPS細胞は目的の細胞に分化した後、何かの拍子にiPS細胞のような多能性をもつ細胞に戻り無限に増殖することでがん化してしまう可能性がある。また目的の細胞に分化した細胞だけでなく、分化せずにiPS細胞を含んだ細織を移植してしまい、iPS細胞が勝手に増えてしまう可能背がある。しかし、目という場所は、元々とてもがんが発生しにくい環境にあると言われている。

他にもパーキンソン病、脊椎損傷、糖尿病、血液疾患などの治療についても研究が進められている。しかし、新薬の開発には9年から17年もの長い年月がかかるため、すぐにもiPS細胞を使った病気の治療ができるというわけではない。

だが、iPS細胞によって医学が大きく進歩することになるのは間違いない。

「iPS細胞の世界」 京都大学iPS細胞研究所編著 山中伸弥監修 日刊工業新聞社 2013年9月20日発行 2,000円+税
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by irkutsk | 2014-01-23 22:22 | | Comments(0)

「幕末太陽傳」デジタル修復版を見に行きました(1月22日)

d0021786_924381.jpgキノシタホールへ「幕末太陽傳」デジタル修復版を見に行きました。

2012年、日活創立100周年を記念してデジタル修復された映画である。映像も音声もくっきり鮮やかに復元されていた。

文久2年(1862年)11月下旬、幕末の混沌とした時代だったが品川宿の遊郭の町並みは賑わっていた。その中の一軒「相模屋」の表で異人を切り、相模屋に入った青年がいた。これは長州藩士で攘夷派の志道聞多(二谷英明)、大和弥八郎、伊藤春輔といった志士たちだったが、その時彼らの落とした外国時計を拾い、ニヤリとして同じ相模屋へわらじを脱いだ町人があった。この男佐平次(フランキー堺)といって、仲間3人を連れてのお遊びだった。

この相模屋にはこはる(南田洋子)という売れっ子の女郎がいた。そしてこはるの部屋には、高杉晋作(石原裕次郎)をはじめ、志道ら三人が入り浸り、御殿山英国公使館焼き討ちの謀議を凝らしていたが、楼主伝兵衛(金子信雄)や妻お辰(山岡久乃)は彼らの積もる勘定に手を焼いていた。一方佐平次は口八丁手八丁で美女を侍らせて上機嫌。ところがこの男、無一文で若衆喜助(岡田真澄)の持ってきた勘定書にも、ああだこうだと御託を並べて追い返してしまう。だが翌日とうとう文無しだということがわかり、佐平次の居残りが始まった。

抜け目のない佐平次は困っている人間を見つけては、何だかんだと手助けし、金を稼ぎ、若衆たちからは疎まれるが、相模屋にはなくてはならない存在になっていくのだった。

映画の中に落語の話が織り交ぜられており、とてもおもしろい映画だった。往年の名スターたちの若かりし姿を見ることもできた。

「幕末太陽傳」デジタル修復版 1957日本 110分 監督:川島雄三、出演:フランキー堺、南田洋子、左幸子、石原裕次郎、芦川いずみほか
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by irkutsk | 2014-01-23 09:24 | 映画 | Comments(0)


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