カテゴリ:映画( 442 )

「幼な子われらに生まれ」を見に行きました(8月27日)

d0021786_17464543.jpgセンチュリーシネマへ「幼な子われらに生まれ」を見に行きました。
直木賞作家・重松清が1996年に発表した同名小説を映画化したものです。

私(浅野忠信)は再婚した妻・奈苗(田中麗奈)、そして奈苗の連れ子の薫(10歳)と恵理子(5歳)と4人で暮らしていた。家族との生活を大事にし、出世競争からも降り、幸せに暮らしていた。

別れた妻・友佳(寺島しのぶ)との間にできた一人娘・沙織との年4回の面接日が何よりも楽しみだった。

薫は私のことをパパと呼ばなくなり、私は薫に媚びるような態度をとっていた。そんなある日、奈苗が妊娠した。下の娘・恵理子は無邪気に姉になることを喜んでいるが、薫はますます私や奈苗に対して反抗するようになり、私のことを「他人」だという。そして、「私のパパは一人だけだ。パパに会いたい」と言う。

4年前に再婚してから、私は仕事よりも家庭を優先し、実の娘・沙織のことを一番に思いながらも、血のつながらない娘たちにも最大限に誠実に接してきたつもりだった。崩壊してゆく家庭に嫌気がさし、奈苗に子どもを下ろして、離婚しようとまで言う。

一方、沙織の家庭は、友佳が大学教授の江崎と再婚していたが、その江崎はがんに侵され余命いくばくもない状態だった。沙織は私に「お父さんが死にそうだというのに、なぜか泣くことができない」と悩みを打ち明ける。

薫が本当の父親に会いたい、そして父親と暮らしたいと頑固に主張するので、私は薫の父親に会いに行った。奈苗は彼にDVを受け、それがもとで離婚したのだった。彼は再婚せずに一人で気ままに暮らしていた。子どもは嫌いだと公言し、自分の自由を縛る存在は自分の子どもであっても嫌だという。そんな薫の父親に、薫が会いたがっている、そして一緒に暮らしたいと言っていると伝えると、借金の返済に困っており、10万円で会ってやる、一緒に住むにはあと40万はもらわなくてはと要求する。私は彼に50万円を渡し、日曜日にデパートの屋上で娘と会うようにと話をつけた。そして薫にそのことを話し、会いに行かせるのだが…。

血のつながらない親子の関係というのは難しいものだなあと思った。理屈で割り切れるものじゃないようだ。

「幼な子われらに生まれ」 2017年日本 127分 監督:三島有紀子 出演:浅野忠信、田中麗奈、南沙良、宮藤官九郎、寺島しのぶほか
「幼な子われらに生まれ」公式サイト
[PR]

by irkutsk | 2017-08-27 16:00 | 映画 | Comments(0)

「少女ファニーと運命の旅」を見に行きました(8月21日)

d0021786_9403332.jpg名演小劇場へ「少女ファニーと運命の旅」を見に行きました。

時代は1943年、ナチスドイツの支配下にあったフランスであった実話を映画化したものである。13歳のユダヤ人少女ファニーは幼い二人の妹とともに両親と別れ、支援者たちがひそかに運営する児童施設に匿われていた。ある日、心無い密告者の通報により、子どもたちは別の施設に移ることになる。やがてそこにもナチスの手がおよび、ファニーたちはスイスへ逃れようと列車を乗り継ぐが、鉄道の鉄橋が爆破され乗っていた列車は途中の駅で運行中止となってしまった。ファニーは9人の子どもたちのリーダーとして、ひたすらスイス国境を目指す。

 ファニーのモデルとなったのは、実在の女性ファニー・ベン=アミ。第二次世界大戦中に子どもたちだけでフランスからスイスへと逃げたという驚くべき実体験をつづった自伝を出版、たちまち話題を集め映画化が実現した。

この映画は、ユダヤ人迫害が吹き荒れたナチス占領下のフランスで、フランス人の支援によって生き延びることができた子どもたちの物語である。1940年に6月にドイツ軍がフランスに侵攻、占領すると、フランス国内でもナチスドイツに従うヴィシー政府が作られ、フランスの警察や憲兵はドイツ軍によるユダヤ人の検挙、収容所送りに協力した。しかも、ユダヤ人の子どもの収容所送りを提案したのは、なんとフランス首相のラヴァルであった。

当局のナチス協力の一方、ユダヤ人を救うために人道的支援をしてきた一般フランス人の「正義の人」たちの存在も大きなものであった。

ユダヤ人を皆殺しにするという、恐ろしい大量殺人が行われたのは、まだ七十数年前のことである。いつまた違った形でこのような残虐な大量殺人が権力の手によってもたらされるかもしれないということを心のとどめておかなければならにと思う。

「少女ファニーと運命の旅」 2016年フランス・ベルギー合作 96分 監督:ローラ・ドワイヨン 出演:レオニー・スーショー、ファンティーヌ・アルドゥアン、ジュリアーヌ・ルプロー、ライアン・ブロディ、アナイス・マイリンゲンほか
「少女ファニーと運命の旅」公式サイト
[PR]

by irkutsk | 2017-08-21 16:39 | 映画 | Comments(0)

「エルミタージュ美術館 美を守る宮殿」を見に行きました(8月14日)

d0021786_1071940.jpg伏見ミリオン座へ「エルミタージュ美術館 美を守る宮殿」を見に行きました。

1764年に設立されたエルミタージュ美術館は、エカテリーナ2世の317点の絵画コレクションから始まる。かつて宮殿であった美術館は世界遺産にも登録され、300万点を超える所蔵品は世界一と言われる。ダ・ヴィンチの十数点しか存在しない絵画のうち「リッタの聖母」「ブノワの聖母」を持ち、ミケランジェロの彫刻や、ラファエロの絵画などルネサンス三大巨匠を初め、今回はロシアでも最高の警備がつくエリアへ入り、これまで公にされることがなかった女帝のコレクションなど、他の美術館では決して体験することができない至宝の数々にロシアに行かずして出会うことができる。

ピオトロフスキー現館長が美術館の歴史を語り、著名な彫刻家アントニー・ゴームリー、世界一の建築家といわれるレム・コールハース、そして美術館も巻き込まれたレニングラード包囲戦の生存者の貴重な証言などを織り交ぜ、世界最大級の美術館が、幾多の困難に会いながらも美術品を守り続け、250年の時を超えて今なお特別な存在である理由が明らかになる。

「エルミタージュ美術館 美を守る宮殿」 2014年イギリス 83分 監督:マージー・キンモンス
「エルミタージュ美術館 美を守る宮殿」公式サイト

[PR]

by irkutsk | 2017-08-14 12:05 | 映画 | Comments(0)

「エルミタージュ幻想」を見に行きました(8月6日)

d0021786_17163471.jpg伏見ミリオン座へ「エルミタージュ幻想」を見に行きました。

9月にエルミタージュへ行くので、その予習もかねて見に行きました。エルミタージュ美術館はかつて皇帝の住まいであり、執務場所でもありました。19世紀フランスの外交官と現代の映画監督が時空を超えたエルミタージュの中に入り込むという設定の映画です。この冬宮(かつては皇帝のいる宮殿はこう呼ばれていた)に招かれた招待客とともに二人は仲に入り、まずはラファエロ、ダ・ヴィンチ、レンブラント・エル・グレコなど超一級の美術品が展示されたエルミタージュの中をさまようのです。あるときはペルシアの皇太子が謝罪に訪れ、それを謁見している場面に出くわしたり。そして圧巻は大舞踏会が行われている大広間の情景です。実際にその当時の軍服を着た男性と、ロシアの髪飾りをつけ豪華なドレスをまとった婦人たちがオーケストラの音楽に合わせて踊っています。まるで革命前のロシアにタイムスリップしたような気分です。まるでトルストイの「戦争と平和」の最初のシーンを見ているような感じでした。

「エルミタージュ幻想」 2002年ロシア・ドイツ・日本 96分 監督:アレクサンドル・ソクーロフ
[PR]

by irkutsk | 2017-08-06 17:15 | 映画 | Comments(0)

「ラストプリンセス-大韓帝国最後の皇女-」を見に行きました(7月23日)

d0021786_2093378.jpg伏見ミリオン座へ「ラストプリンセス-大韓帝国最後の皇女-」を見に行きました。

「私の頭の中の消しゴム」、「四月の雪」のソン・イェジンが実在した大韓帝国最後の皇女・徳恵(トッケ)翁主を演じる。日本統治時代、大韓帝国の初代皇帝・高宗の娘である徳恵翁主は、政略に巻き込まれ、わずか13歳で日本へ留学させられてしまう。祖国へ帰ることを心待ちにしながら大人になってしまった彼女の前に幼なじみであるジャンハンが現れる。ジャンハンは大日本帝国に従事する一方で、徳恵と彼女の兄である皇太子の上海への亡命計画を秘密裏に練っていたが……。

日本統治時代の朝鮮から強制連行されてきた朝鮮人労働者が騒動を起こしたとき、それを鎮めるために彼女が利用され、日本政府が用意した原稿を朝鮮人労働者の前で読むように命令され、それと引き換えに危篤の母を見舞うために朝鮮へ帰してやると言われ、引き受けるが…。

1945年、日本の敗戦をラジオで聞き、祖国へ帰ろうと下関へ行くが、出国審査場で韓国から帰国を許可しない者の名簿に登載されていると断られる。

日本はいつまで韓国に謝り続けなければならないのかと言われる人もいる。戦後70年以上が過ぎ、日韓両国の政府が合意したんだから、韓国の民衆が慰安婦像を日本の大使館や領事館の前に建てるのはおかしい。しかし、政府間の取り決めはあくまで政府間の取り決めで、韓国民衆の日本政府に対する感情をなかったことにはできない。過去の不幸な関係は忘れて、未来志向で行きましょうと被害者である韓国が言うのならわかるけど、加害者の日本政府が口にするのはおかしい。アメリカが広島・長崎への原爆投下や都市への無差別攻撃をもう70年以上たっているのだから、そのことは忘れましょうと言ったとしたら、日本国民は「そうですね」と言えるだろうか。

「ラストプリンセス-大韓帝国最後の皇女-」 2016年韓国 127分 監督:ホ・ジノ 出演:ソン・イェジン、パク・ヘイル、ユウン・ジェムン、ペク・ユンシク、パク・チュミ他
「ラストプリンセス-大韓帝国最後の皇女-」公式サイト

[PR]

by irkutsk | 2017-07-23 17:08 | 映画 | Comments(0)

「彼らが本気で編むときは」を見に行きました(7月18日)

d0021786_942671.jpgキノシタホールへ「彼らが本気で編むときは」を見に行きました。

やさしさに満ちたトランスジェンダーの女性リンコと、彼女の心の美しさに惹かれ、すべてを受け入れる恋人のマキオ。そんなカップルの前に現れた、愛を知らない孤独な少女トモ。桜の季節に出会った3人が、それぞれの幸せを見つけるまでの心温まる60日。

小学5年生のトモ(柿原りんか)は、荒れ放題の部屋で母ヒロミ(ミムラ)と二人暮らし。ある日、ヒロミが男を追って姿を消す。一人きりになったトモは、叔父であるマキオ(桐谷健太)の家に向かう。母の家出は初めてではない。ただ以前と違うのは、マキオはリンコという美しい恋人と一緒に暮らしていた。それはトモが初めて出会う、トランスジェンダーの女性だった。

きれいに整頓された部屋でトモを優しく迎え入れるリンコ。食卓を彩るリンコのおいしい手料理に、安らぎを感じる団らんのひととき。母は決して与えてくれなかった家庭のぬくもりや、母よりも自分に愛情を注いでくれるリンコに戸惑いながらも信頼を寄せていくトモ。その姿にリンコも愛おしさを覚え始める。

リンコとマキオの出会いは、リンコが介護士として働く老人ホーム。マキオの母であり、トモの祖母である認知症のサユリ(りりィ)が入居している。献身的に自分の母を介護するリンコに、マキオが一目惚れしたのである。

悔しいことがあるたび、編み物をして心を落ち着かせてきたリンコ。そして今は、とある目標に向かい、“煩悩”を編み続けている。やがて“煩悩”作りには、マキオとトモも参加するようになる。

リンコの職場の同僚、佑香(門脇麦)の結婚式。佑香の幸せそうな笑顔に少なからず刺激を受けるリンコ。トモの母になりたい感情が日に日に膨らんでいく…。そんなリンコの思いをマキオは受け入れるのだった。

本当の家族ではないけれど、3人で過ごす特別な日々は、人生のかけがえのないもの、本当の幸せとは何かを教えてくれる至福の時間になっていく。このまま永遠に続くように思えた3人の関係だが、突然、ヒロミが帰ってくる―。

トモのクラスメイト・カイ(込江海翔)も、男の子を好きになる。そしてその自分の気持ちを告白する手紙を書くが、母親・ナオミ(小池栄子)に見つかり、破り捨てられてしまう。その夜、カイは睡眠薬を大量に飲んで自殺を図った。

今まであまり考えたことがなかったトランスジェンダーのことを考えさせられるいい映画でした。今も多数派でトランスジェンダーを認めず、彼らに近づかないようにという、いわゆる「世間の常識」派の母親を演じる小池栄子の演技も憎らしいほど素晴らしかった。

リンコが自分の気持ちを母親に打ち明け、それを受け入れ、リンコを女として育ててきた母親・フミコ(田中美佐子)の存在もリンコが世間の非難にさらされる中、大きな支えになったと思う。

「彼らが本気で編むときは」 2017年日本 127分 監督:荻上直子 出演:生田斗真、桐谷健太、柿原りんか、ミムラ、小池栄子ほか
「彼らが本気で編むときは」公式サイト
[PR]

by irkutsk | 2017-07-18 16:58 | 映画 | Comments(0)

「家族はつらいよ2」を見に行きました(7月11日)

d0021786_15122153.jpgミッドランドスクエアシネマへ「家族はつらいよ2」を見に行きました。今、話題になっている高齢者ドライバーの免許返納の話です。最近、平田周造(橋爪功)は車で出かけると、あちこちにぶつけて車は傷だらけ。物にぶつかっているうちはいいが、人にぶつかって怪我でもさせたら大変だと、周造に免許の返納を勧めるが、頑として受け入れない。またいつものように娘の成子(中嶋朋子)や末の息子の嫁の憲子(蒼井優)にその役を押し付けるがうまくいかない。妻の富子(吉行和子)は友達とオーロラを見に北欧へと出かけていく。

周造は行きつけの飲み屋の女将・かよ(風吹ジュン)を昼食に誘い、おいしいてんぷらを食べさせる店があると言って誘い、車で出かける。そしてその途中、道路工事をしていて迂回するように赤い棒を振っているガードマンを見て、高校時代の友人・丸田(小林稔侍)だと気づく。かつては大きな呉服屋の跡取りで、背が高く女子生徒からもモテモテだった丸田だったが、再会した丸田は73歳にもなって、カンカン照りの工事現場で汗をかきながら赤い棒を振って車を誘導していた。丸田に声をかけて丸田だと確認するが、かよとのデート中なのでそれきりに。そしてしばらく行ったところで、前を走っていたダンプカーに追突してしまう。かよが機転を利かせて、相手の運転手に2,3万渡して、事なきを得た。

そして数日後、かよの店で飲んでいた時にその話をすると、飲み仲間の向井が、弟が探偵をやっているから、そんなのすぐに見つけることができると言い、丸田を誘って久しぶりに高校の同窓会をやった。離婚や事業の失敗、借金に追われる生活など、悲しい人生を歩んできた丸田だったが、この日ばかりは大好物の銀杏をたべながら、久しぶりに楽しい夜を過ごした。その後、酔っぱらって上機嫌になった丸田は周造に連れられて平田家に泊まっていくことになるのだが…。

憲子の母も離婚し、自分の母親の介護をしながら、保険の外交の仕事を遅くまでやっている。

ぎくしゃくとしながらも3世代家族で孫たちと住んでいる自分の生活のありがたさを感じる周造だった。

昔は、三世代家族は当たり前だったが、いまでは珍しくなってしまった。親は子どもに気をつかい、一人でも大丈夫だからと言い、子どもたちはたまにしか親の元を訪ねず、訪ねてきてもそそくさと帰っていく。そして親が倒れたとか、病気になったとかいうと、病院や介護施設に入れる。かつては死というものが身近にあったが、最近では死を実感できない子供たちが増えている。現代社会の抱える家族の問題を喜劇タッチで描き出している山田洋二監督の手腕に拍手。

今後も「家族はつらいよ」が次々に作られることを願ってやまない。

「家族はつらいよ2」 2017年日本 115分 監督:山田洋二 出演:橋爪功、吉行和子、西川雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優、小林稔侍、笑福亭鶴瓶、劇団ひとりほか
「家族はつらいよ2」 公式サイト 

[PR]

by irkutsk | 2017-07-11 15:05 | 映画 | Comments(0)

「いつまた、君と ~何日君再来」を見に行きました(6月26日)

d0021786_9291777.jpg109シネマズ名古屋へ「いつまた、君と ~何日君再来」を見に行きました。

この映画の原作は向井理のおばあさん・芦村朋子が書いた手記です。彼女が夫・吾郎と結婚してからの生活を克明に描いたものです。二人は昭和15年に結婚して、南京へ行きます。その後上海へ引っ越し、終戦を迎え、着の身着のままで松山の朋子の実家に親子4人で身を寄せます。ところが朋子の父は無一文で帰ってきた吾郎につらく当たり、やがて家族4人で、茨城県で新しい生活を始めます。

最初はフォードの中古トラックを買って運送屋をやると意気込んでいたが、トラックは故障続きで結局トラックを二束三文で売り渡します。次にタイル工場の営業になるのですが、東京へ出張中に酔っ払いに殴られ、骨盤を折る大けがをします。ようやく治って帰ってみるとタイル工場は会計担当者が会社の金を持ち逃げして、倒産していました。次にやったのはところてん屋。大阪の友人・高杉から大量の寒天が送られてきたのをきっかけに始め、夏はかき氷、秋にはおでん屋と順調にいくかに見えた商売も、駅前にちゃんとした喫茶店や居酒屋などができると客足は遠のき、さらに酔っ払いが3人、酒を出せと騒ぎ朋子に迫り、吾郎と3人の酔っぱらいはけんかになるところでしたが、運よく巡査が来て酔っ払いは逃げていきました。ところがこの事件で店の客足はさらに遠のき、店をたたんで大阪に行き、高杉の働く石油会社で働くことになります。つらい肉体労働だったが、長女・真美も生まれ、親子5人楽しく暮らしていました。さらに秋にできる岸和田の製油所の所長にという話もあり、順風満帆のひとときでした。

ところが台風で建設中の岸和田の製油所は壊され、吾郎の身体にも異変が。骨と骨の間に腫瘍があるということで入院し、昭和29年7月にはこの世を去ることになりました。残された朋子と3人の子どもたち。朋子は高杉に頼んで石油会社での就職を頼みます。会社の寮で住み込みの賄い婦として雇われることになったのですが、まだ小さい真美を松山の実家に預けることにしました。

昭和の激動の時代を生きた朋子と吾郎の物語です。いろんな難題が次から次からと襲ってくるのですが、それを明るく乗り切ろうと夫や家族を励ます朋子でした。

映画を見ながら、私の育った時代もまだ戦後の名残があり、悪いことをして金儲けをするのは日常茶飯事で、真面目に働くものはバカを見るという時代でした。

大阪の製油所に勤めていた時、吾郎と朋子は子供たちが大きくなったら、二人で世界旅行をしたいね。モロッコの砂漠、パリのセーヌ川、イタリアのベニスのゴンドラ、ベスビオ火山も見たいと語り合った話を、絵が得意な吾郎が二人で旅行したかのような絵を描いてくれました。それは残された朋子の大切な宝物でした。幼い真美を両親に預けるとき、それを真美に渡したのでした。

そのことを母の手記で知った真美は、母の本当の気持ちを理解し、涙するのでした。

どんな時代に生きていても、どんな不幸が自分の身に押し寄せようとも、気持ちの持ち方ひとつでそれを乗り切ることができる。ささやかな幸せの瞬間をいくつ見つけ出せるかによってその人の人生は輝くものにもなるし、つまらないものにもなると感じました。

「いつまた、君と ~何日君再来」 2017年日本 114分 監督:深川栄洋 出演:尾野真千子、向井理、岸本加世子、イッセー尾形、駿河太郎、片桐はいり、野際陽子ほか
「いつまた、君と ~何日君再来」公式サイト
[PR]

by irkutsk | 2017-06-26 17:40 | 映画 | Comments(0)

「アズミ・ハルコは行方不明」を見に行きました(4月23日)

d0021786_20563592.jpgキノシタホールへ「アズミ・ハルコは行方不明」を見に行きました。

田舎の町での鬱屈した若者の姿を描く映画。男たちは勝手なやつらばかり。大人になるとセクハラ。それに対して女は? 映画に出て来る女子高校生の集団が男を襲い、暴行を加える。彼女たちは一緒にいる女には手を出さない。

安曇春子(蒼井優)は家庭では認知症の祖父と両親の4人暮らし。会社(社長を含め4人)に行けば社長と専務は春子の先輩の吉澤が早く辞めないかとセクハラ言動を繰り返す。

吉澤は仕事を辞め、アフリカ系フランス人と結婚してアフリカに行くことに。だが上司にはフランス人と結婚すると言い、社長たちは驚く。

男たちに「頼めばすぐに寝てくれる」と言われて、男たちにもてあそばれる愛菜(高畑充希)は、男たちに裏切られ、死んでやろうと思っていたところへ、アズミ・ハルコが現われ、「女の子にとっては、優雅な生活が最高の復習である」と言う。不幸な現状から軽やかに逃げだすことによって、現状をリセットして幸せになることで復讐するという方法もあるし、そのほうがいい。

ストーリーがつかみにくく、どうなっているのかわからなくなりそうな映画でした。田舎町に住む若者の閉塞感、そしてその中であがく若者たち。自分たちを押さえつけているものと直接対峙しなくても、すっと逃げて、幸せになり、外から自分を押さえつけていた者たちを見るというのも楽に、楽しく生きる方法ではないかと思いました。

「アズミ・ハルコは行方不明」 2016年日本 100分 監督:松井大悟 出演:蒼井優、高畑充希、大賀、葉山奨之ほか
「アズミ・ハルコは行方不明」公式サイト

[PR]

by irkutsk | 2017-04-23 17:45 | 映画 | Comments(0)

「LIONライオン 25年目のただいま」を見に行きました(4月17日)

d0021786_601918.jpg伏見ミリオン座へ「LIONライオン 25年目のただいま」を見に行きました。

1986年、インドのスラム街で暮らす5歳の少年サルーは、兄と仕事を探しにでかけた先で停車中の電車で眠り込んでしまい、家から遠く離れた大都市カルカッタ(コルカタ)まで来てしまう。途方に暮れている彼に声をかけてくれて、親切に家へ連れて行き、食事を与えてくれ、ベッドで寝させてくれた。翌日彼女の知り合いという男が来る。サルーは彼が人買いだということに気づき、必死で逃げる。

やがて彼は孤児院に入れられる。そこでは子どもたちが収容されている部屋にはカギがかけられ、先に入所していた女の子に「ここはひどいところよ」と言われる。夜になると、幼児愛好者の男に施設の職員が子どもを渡し、明日の朝までには返すようにと言う。連れて行かれるこどもは「いやだ」と泣き叫ぶ。

そんな時、サルーにオーストラリアへ養子に行くという話が持ち上がる。友人の女の子は「オーストラリアはとてもいいところよ」と養子の話を進める。そして飛行機で遠く離れたオーストラリア・タスマニアで夫婦に引き取られ、そこで暮らし始める。1年後、やはり同じ孤児院から養子でもう一人の男の子がやって来た。二人は兄弟として暮らしていくのだが…。

25年後、サルーはメルボルンの大学に入学し、友人の一人からGoogle Earthなら地球上のどこへでも行くことができると教えられる。サルーはおぼろげな記憶を頼りに自分の故郷探しに没頭する日々が続いた。そしてようやく自分が生まれ育った場所を見つけ出し、養父母の許しを得て、インドへ渡った。

ようやく探し当てた、かつての家には人は住んでなくて、ヤギが住んでいた。絶望に襲われたサルーは近くの人に、自分の子どもの時の写真を見せて、ここに住んでいた人はどこに行ったのかを訪ねる。そしてしばらくして現れたのは25年ぶりに会う母親だった。妹もいた。だが兄はサルーとはぐれた駅でサルーを探していて、列車にはねられて亡くなったと聞かされる。

実に様々な偶然が重なり、迷子になった子供が25年後に母親のもとへ帰るという感動のストーリーでした。サルーの子役を演じていたサニー・パワールがとてもかわいかったです。

「LIONライオン 25年目のただいま」 2016年オーストラリア 119分 監督:ガース・デイビス 出演:デブ・バテル、サニー・パワール、ルーニー・マーラー、ニコール・キッドマン、デビッド・ウェンハムほか
「LIONライオン 25年目のただいま」公式サイト
[PR]

by irkutsk | 2017-04-17 17:58 | 映画 | Comments(0)