「日本で一番大切にしたい会社」を読みました(5月19日)
「会社は何を一番大切にしなければならないか」と聞かれると多くの人は「お客様」と答えるでしょう。でも彼は一番大切にしなければならないのは「社員とその家族」だと彼は言い切っています。どうして彼が社員とその家族を一番に上げたか。その理由は「お客様を感動させるような商品を作ったり、サービスを提供したりしなければいけない当の社員が、自分の所属する会社に対する不平や不満・不信の気持ちに満ち満ちているようでは、ニコニコ顔でサービスを提供することなどできるわけがないから」だと言っています。ですから会社は社員とその家族の幸せを第一に考えなければならないのです。
そして第二に外注先・下請け先の社員を幸せにする。
三番目に顧客を大切にする。会社には顧客に対する使命と責任、つまり「お客様を幸せにする」使命と責任が会社にはあります。
そして四番目に地域社会を幸せにする。会社がある地域住民の幸せを大切にしなければならない。
最後に株主の幸せです。その会社を資金面・資本面で支援してくれている人々に対する使命です。
坂本さんは、会社は業績ではなく、継続させることが大切だと言っています。いい会社とは継続させることができる会社です。業績を上げるのは会社を継続させるための手段なのです。そしてそこで働く社員とその家族が安心して暮らしていけるようにすることが経営者の最も大切な責任だと言っています。
派遣切りでどんどんと働く人を切り捨てていく企業ばかりが新聞紙上をにぎわしていますが、こんな立派な会社があるということをもっと宣伝してほしいですね。
ちなみに本書で紹介された5社は次の会社です。
1、日本理化学工業
障害者の方々がほめられ、役立ち、必要とされる場を作りたい。社員の7割が障害者という会社です。
2、伊那食品工業株式会社
寒天メーカーという斜陽産業の中で48年間増収増益を続けてきた会社。50年間一度のリストラもなく、敵を作らず、オンリーワンを作り続けてきた会社です。
3、中村ブレイス株式会社
日本一辺鄙なところにある義肢装具の会社です。しかしここには日本中から入社希望者が集まり、世界中からお客様が集まるようになっています。
4、株式会社柳月
北海道で生まれ、大きく成長したものの、決して北海道から出ようとしない菓子メーカーです。
5、杉山フルーツ
大規模スーパーの撤退で寂れた商店街に光り輝く果物店です。「本当にいいもの、新鮮なものをお客様に」がモットーの果物店です。
「日本で一番大切にしたい会社」 坂本光司著 あさひ出版
1400円+税