「ホロー荘の殺人」を読みました(9月28日)
でも何より推理小説を読むときに犯人がわかっていて読むということほど、推理小説をつまらないものにしてしまうことはないということがわかりました。もし、映画を見ないでこの本を読んでいれば、一体誰が犯人なんだろうと、推理しながら読み進めておもしろかったかも知れません。
でも登場人物の心理描写はなかなか映画では描ききれないので、やっぱり小説ですね。この殺人事件を通じて、最後にアンカテル家の血が流れていない庶民のミッジと莫大な財産と屋敷を相続したエドワードが結ばれて良かったと思いました。エドワードはいわゆる坊ちゃま育ちで、ミッジが洋品店で働いていて、雇い主に怒鳴られ、お客に暴言を吐かれても耐え、お昼も1時間の休憩時間にかきこむようにして食べなければならい、休みは土曜の午後と日曜日しかない、そんな生活は非人間的だと彼は言う。そして、彼の住むエインズウィックへいって二人で暮らそうと言う。ミッジは彼が好きだったが、彼は彫刻家のヘンリエッタが好きで3回もプロポーズして断られている。というのもヘンリエッタは医者のジョン・クリストウが好きで、彼と愛人関係にあるのだ。そしてそのジョンがホロー荘へお客に行ったときに殺されるところからこの小説は始まるのだった。