「中国で次に起こることは」を読みました(10月15日)
今回もなかなか示唆に富む内容でした。そのいくつかを紹介すると、邱永漢さんは短期の相場を張るのではなく、成長株を買ってその成長に従って株価が上がるのを待つというスタンスで株を買っています。だからこれからどんな産業が成長し、その中でもどの企業が成長していくのかを実際に中国まで行って、会社の社長に話を聞き、工場を見せてもらい検討しています。そしてその情報をネットのコラムで紹介してくれています。
では、どうしたら成長株を見つけられるのか。一つには成長株を見つけるのがうまい人につく、二つには1株あたりの利益が年とともに上がっていくかどうかだといっています。
そしていつも言っているのは株価が2倍になったら、半分売る。そしたら元金は回収でき、あとはただの株になる。ただだから上がろうが下がろうが気にならないということです。
そう言われても買った株が倍になったことがないと言う読者からの質問があり、それは株の選び方と買う時期に問題があると答えていました。
利益が上がっているのに、株価が下がっているという時は、株を仕入れるチャンスだとも言っています。株が下がるとみんな狼狽売りをするが、下げた時はかねてから目をつけていた成長株を買い増す絶好のチャンスだということです。
そして「成長株を買ったら毎日株式欄を見るな」とも言っています。なるべくなら株のことなんか忘れるくらいがいい。毎日株価を見ているとすぐ高くなった株を売りたくなるから。待つということが株式投資の中で重要な作業の一つなのだと言っています。
「しくじった。こんな株買うんじゃなかった」ということに気がついたら買値を大きく割っていても次に心を奪われるニューフェイスが現れたら、邱永漢さんは躊躇することなく損きりして、新しい株に乗り換えるそうです。いくらで買って、いくら損をするなんてことは考えず、いつも今の時点で自分が一番有望だと考えているところに焦点を合わせるのが株だからだそうです。
最後に「株式投資では、他人に責任を転嫁できない立場に自分を置くことが必要」という言葉があるが、大切なお金の運用は人まかせにせず、株も損をしながら自分で要領を覚えていくのがよいと言っています。
「中国で次に起こることは?」 邱永漢著 グラフ社 1300円+税