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「中国投資はジェットコースターに乗って」を読みました(10月26日)

「中国投資はジェットコースターに乗って」を読みました(10月26日)_d0021786_21433220.jpgこの本は邱永漢さんのインターネットコラム「もしもしQさんQさんよ」をまとめて単行本として発行された本です。2007年4月5日から2007年7月18日分の記事を掲載したものです。インターネットで同じものを読むことができますが、パソコンで読むのはやはり目が疲れます。紙に印刷されたものの方がずっと読みやすいですね。

貿易黒字で中国に外貨がどんどん貯まっていき、その外貨を企業が人民銀行に持ち込み元に両替すると、元が市中にあふれることとなります。いわゆる過剰流動性が高くなり、株や不動産に対する投機が盛んになり、その価格がどんどん上昇しいわゆるバブル状態になります。日本でも同じことが1980年代にありました。中国は日本で起こったことをよく見ていますから、そうならないように人民元の切り上げや金利の引き上げなどをうまくコントロールしながらおこなうでしょう。

邱永漢さんは「株価は十倍、人民元は1ドルが4元」になると言っています。邱永漢さんは成長株を買い、それに賭ければ少なくとも後10年ぐらいはかなりのチャンスに恵まれるといっています。成長株とは「景気、不景気の高波の中にあっても業績が年々良くなり、利益が年々増大する企業の株です」と言っています。

そして株の買い方を次のように教えています。「株は高くなった株のあとを追うような買い方でなくて、安いうちに買うか、中だるみになったときに手に入れて、後はじっとガマンを続ければよいのです。」そして、高値になってもガマンするのがガマン料と言っています。
「元金だけ売って、あとただになった分は蔵の中にしまい込んで忘れることです」と。

また、上がる株は残して、上がらない株は損切りして売るのが正しいとも言っています、

そして世界の経済状況について次のように言っています。
「いまや世界を動き回るお金が、新しい方向を求めて動きを変えようとしています。そもそもの始まりは自分で物を作っても世界で競争できなくなったアメリカが他の国に生産を任せ、その支払いに物の代わりにドルを印刷して渡す安易な方法に頼るようになったことです。ドルを受け取った側が物々交換を迫ったら、アメリカはたちまち行き詰まってドルそのものの値打ちが大暴落するでしょうが、アメリカは相手にそのお金を出資させて国債を買わせたり、ファンドに出資させたりして、稼いだお金の鞘抜きして小康を保っています。そんなことがいつまでも続くようなら、世界の国々がアメリカの真似をすればいいことになりますが、どう見ても危なっかしい綱渡りですから、世界中が固唾を飲んで見守っています。それでもゲームが終わらないのは、アメリカがこけると、その背中に乗った小亀たちはもっとひどい目にあうからです。」

そして最後に「株価がジェットコースターのような激しい動きをするのでスリルはありますが、中国経済を動かすシステムが故障する可能性は低いので、振り落とされる心配はありません。」と述べています。

「中国投資はジェットコースターに乗って」 邱永漢著  グラフ社  2010年9月5日発行  1300円+税
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by irkutsk | 2010-10-26 21:43 | | Comments(0)