「新・メシの食える経済学」を読みました(11月14日)
特に定年後のことについて書かれている部分は自分自身に対して言われているようで大変参考になりました。単にお金のことだけでなく、生きがいのことについても書かれています。
「若いときの財テク道楽が身を助ける」というところでは、学校を出てすぐに大きな会社に就職し、定年まで勤め上げた人の中にはお金を動かすことについて自主的な判断をしたことがいっぺんもない人がけっこう多い。そんな人が定年をむかえ2千万円前後の退職金をもらうと財テクに関心を持たなかった人は当然財産も増えていないから、退職金がとても巨額のお金に見える。持ちつけないものを持つと、人間は自分で気がつかない間に精神異常をきたしてしまうものであると書いています。
またお金は人並みに不自由しない程度にあって、生きがいを優先させる生活が現代人にとっては理想的な生き方だといっています。お金の心配をするよりも、定年後にやる仕事の心配をするほうが先です。お金がなくても、人は何とか見過ぎ世過ぎができますが、仕事がなくなると、心の心棒が折れて生きていれなくなります。ですから定年になるずっと前から次にやる仕事のことを真剣に考えておくことですと言っています。
「第二の人生を始める人にとってはそれが自分にとって楽しいかどうかがもっとも大切であろう。少なくとも自分にできる範囲内で一番性にあった楽しい仕事を選ぶことが、人生の最後をしあわせに生きる方法であることは間違いない。」
「お金があってしあわせがあればそれにこしたことはないが、両方とも揃うということはなかなかないものである。どちらか一つを選べということになったら、人生の峠を越えてしまった人ならしあわせを選びたいと思うだろう。お金がなくともしあわせで充実した人生を送るほうが絶対にいい。」
最後に面白い話が書かれていたので紹介します。
「買い物に関する原則」というところで、「毎日使うものについては、なるべく一段上のランクの高価でいいものを、たまにしか使わないもの、あるいは定期的に買い換えるものは安価なもので間に合わせる。」
「贈り物には二流の時計よりも最高級のスリッパ」
「三流のホテルの一番高い部屋に泊まるより、最高級ホテルの一番安い部屋に泊まれ」
「新・メシの食える経済学」 邱永漢著 2000.11.15発行
グラフ社 1500円+税