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「もどってきたアミ」を読みました(11月30日)

「もどってきたアミ」を読みました(11月30日)_d0021786_10433175.jpg11月18日のブログで紹介した「アミ 小さな宇宙人」の続編です。アミに円盤に乗せられて、文明世界の星を訪れたり、宇宙の基本法則が愛であることを教えてもらったペドゥリートですが、アミに言われたとおり、自分の体験を子供向けのおとぎ話として本に書き有名になりました。
そして再びあの海辺の岩の上でアミと再会し、彼の円盤に乗り込むことになりました。
ところが今回は先客がいたのです。キアという星のビンカという女の子です。彼女の星も地球と同じように破滅の危機に陥っている星で、ペドゥリートはビンカとともに今回の旅行をすることになりました。

そして彼らは科学の水準と愛の水準のアンバランスから自滅していく世界や、反対にそれを克服して世界政府を作り武器を捨て、愛を基本に世界を創っていこうとしている世界をアミに見せてもらいます。

そして文明世界では「うそつきや不正を働く人が一人もいないから警察もカギも鎖も鉄条網も鉄格子も壁も何も必要じゃないし、面倒な書類もない。惑星全体が一つの国でみな兄弟だから、軍隊も戦争もない。もちろん地球のようにいくつもの宗教によって対立することもない。神は愛であり、それがすべてだ。みんないつもよいことをするよう心がけて、毎日少しでも進歩するように努力して生きている。そして同時に毎日を健康的にせいいっぱい楽しむことを忘れていない。そこではすべてが自由であり、人に強制したりされたりということがいっさいない。」と言っています。

愛についても、「愛には二つのあり方があり一つは自分自身に向かう愛、もう一つは他人に向かう愛。そしてこれは呼吸のようなもので、バランスが取れていなければならない。」と言っています。しかし執着があるときは吐き出す空気の量よりもはるかに多く吸い込むようなもので、すべて、みんな自分のもの、もっと自分へ、もっと自分の家族へ、もっと自分の党派へとなってしまう。そして他の人にはより少なく。

また死後の魂のことも書かれていて、「死なんてどこにもない。ただ状態の変化があるだけで魂は永遠なんだ。未開文明の人たちは前世の記憶を維持したまま肉体が変わるということを許されていない。それが”死“という幻想を生み出すんだ。でも文明世界のひとたちはみな過去の経験をはっきり覚えているんだよ」と述べています。

今の世界を見ていると、地球は本当に弱肉強食の未開世界であると思います。武器や環境破壊に膨大なお金を使い、金儲けのためには他人がどうなろうとかまわない、他方で多くの人たちが飢えや、圧制、暴力の下で苦しみ死んでいっています。愛を基本にした世界を創らなければ、科学水準と愛の水準のアンバランスにより、自滅していくかもしれません。全人類を破滅させることのできる量を溜め込んでいる核兵器、十万年以上も管理しなければならない廃棄物を出し続ける原発、金儲けのための環境破壊による生態系の破壊などすべてエゴのなせる結果です。

可愛い装丁の本で、内容も子供向けっぽく書かれていますが、実に内容のある本です。まだ読まれていない方には、是非お勧めの本です。

「もどってきたアミ」 エンリケ・バリオス著 石原彰二訳
さくらももこ絵  徳間文庫 2005年8月15日発行 590円+税
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by irkutsk | 2010-11-30 10:43 | | Comments(0)