「100歳の少年と12通の手紙」を読みました(12月15日)
映画とほぼ内容は同じです。本では病院ボランティアのローズさんはおばあさんになっていますが、映画では離婚して実家で母親と暮らしながらピザ屋をやっている中年女性です。
映画ではなかなか覚えられなかった子どもたちの名前や病名などもはっきりとわかりました。またこの本はオスカーが神様に宛てて書いた12通の手紙だけで構成されているので、オスカーの視点で見られています。
ローズさんはオスカーに神様に手紙を書くように勧め、1日に一つだけ願いごとを書いてもいいと言います。そして最初の手紙に書かれた願い事は「僕は治るでしょうか」という質問でした。
そしてその翌日、オスカーは両親と院長先生が自分の病気について話しているのを聞いてしまい、「治らない」という答えを得たのでした。
オスカーが好きだった少女は青色症にかかって、顔色が青いペギーという少女でした。彼は彼女と結婚した気分でした。キスもしたし、彼女のベッドで一緒に寝たし。でも彼女は手術を受け、ばら色の顔になり退院していきました。
12月28日の朝、オスカーが神様に会うことになったときの描写は本でも、映画でもステキでした。本では次のように書かれています。「ぼくには神さまがいるのがわかった。神さまが幸せの秘訣を教えてくれるのが。それは毎日、初めて見るかのように世界を見ること。」
12月29日の手紙では次のように書かれています。「ぼくは両親に、人生はおかしな贈り物だということを説明しようとしました。最初、ひとはこの贈り物を必要以上にありがたがって、永遠の命を手にしたと思い込む。そのあと、こんどは必要以上に見下して、人生はばら色じゃない、短すぎると考え、投げ出そうとさえする。でも、最後には、人生は贈り物じゃなくて借り物だということに気づく。すると恥じない生き方をしようとする。」
少年が神様に宛てて書いた手紙の形式だったのでとても読みやすく、でも内容は思いのほか深く、一気に読めました。
「100歳の少年と12通の手紙」 エリック=エマニュエル・シュミット著
阪田由美子訳 2010年10月30日 河出書房新社発行 1200円+税