「ハーモニー」を見てきました(1月31日)
そんなある日、慰問に訪れた合唱団の歌声に感激したジョンへは自分たちも合唱団を作りたいと所長に申し出る。そして半年間でその成果を出すことを条件に許可される。そして指揮者には同房の死刑囚ムノクが音楽大学の教授をしていたので彼女に頼み込む。彼女は最初は断っていたが、ジョンヘの熱意と在監者たちの更正を願って引き受ける。
そして練習が始まるのだが、音痴のジョンへを始め、個性の強いメンバーの息は合わない。そこでお互いの罪を話し、お互いを認め合うことから始める。そんな中でソプラノが足りないなか、今まで心を閉ざしていたユミを誘う。最初は反発していた彼女だが、やがてムノクの母のような暖かさに心を開き、メンバーに加わる。
そして6ヵ月後、所内のステージでは笑顔で合唱する在監者の歌を他の囚人や職員も聞きほれコンサートは大成功。そしてジョンへはミヌと外出する許可を得るが、それは18ヶ月間の親子の生活が終わる時だった。教師夫婦に養子として引き取られることが決まり、ガラス越しにミヌと別れることに。
そして4年後、刑務所内の合唱団はその実力を認められ、クリスマスイブにソウルで開かれる全国合唱大会に招待される。そして肉親ともそこで会えるというおまけ付きで。だがジョンへはミヌに会えるのか。コン看守はユミの母親や、ムノクの娘、そしてミヌの養母となった教師のところへも当日のチケットを持参し、コンサートに来てくれるように頼むのだったが‥‥。
そして最後は彼女たちの合唱団の指揮をしてきたムノクに死刑執行の知らせが。看守たちも悲痛な思いで彼女を死刑執行へと連れて行く。あちこちの監房から彼女に教えてもらった在監者たちの歌声が聞こえてくる。
親子の別離、そして死刑制度など、考えさせられることの多い映画でした。法律の名の下に犯す殺人はたとえ違法ではないにしても、彼女を死刑執行へと案内する者にも、実際に死刑執行する者にも、死刑の決定を下す法務大臣にも良心に対する大きな傷を残すものだろう。
「ハーモニー」 2010年韓国 115分 監督:カン・テギュ
出演:キム・ユンジン(「シュリ」)、ナ・ムニ(「光州5.18」)、カン・イェオン(「TUNAMI」)