「いちずに一本道 いちずに一ツ事」を読みました(2月27日)
この本の中でなるほどと感心したことはたくさんありますが、特に心に残ったことを書いておきます。
初対面の人でも「なんて感じのいい人」とこちらが思えば、相手にも「この人私に好意を持っている」とわかるんです。こういうのを以心伝心と言うんです。その反対のこともあります。そこで大事なものは心。相手に対して好意を持つか、悪意を持つか、というこっちの心なんです。
いちばん大事なものは、学歴でも肩書きでもありません丈夫な体と健康なこころ、これが最高の宝です。
現実の生活の中では、損得、勝ち負け、愛憎などという霧がいちばん多いのではないでしょうか。そして、そういう霧の中で、自分自身は欲張り、いかり、ぐちという霧をまわりの迷惑もかまわずにまき散らしているのではないでしょうか。
「かねが人生のすべてではない」。「かねはあれば便利、無いと不便」ただそれだけの話です。
親の財産というのは、何にも遺さなくてもいいけれども、「あんたのお父さんはたいへんいい人でしたよ」という、その一言が、我が子に残す一番いい財産じゃないかと思うんです。
底辺を支える人がいて、初めてトップが生きるんです。だから世の中利口だけじゃダメなんですよ。負ける人がいるから、勝つ人がいるんですね。私はね、人間は、いつでも負ける方にいると、心が安らかだと思うんです。
「いちずに一本道 いちずに一ツ事」 相田みつを著
角川書店1998年6月25日発行 600円+税