「幸福への原点回帰」を読みました(3月28日)
整理・整頓は仕事の効率を高めるし、きれいな環境で暮らしているといつも明るく穏やかで人にやさしく接することができるような人間性が育ってくるとも言っています。
また「物があり余ると、人は物を粗末にします。物を粗末にすることは物を作った人まで粗末にするということです」と現在の物があふれて、使い捨てる世の中に対して、注意を喚起しています。
人間は楽をしたがる一面を持っているが、楽をしたら「得」をするという考え方は誤りで、つらい思いをして苦しい仕事をやり遂げた後に、喜びや達成感、感動が湧いてくるものだ。人間一度しかない人生にさまざまな経験のチャンスを自分から手放して楽をしてしまうことは、同時にたくさんの感動や喜びを手放していることになると指摘しています。
そして行政の仕事のやり方にも次のような苦言を呈しています。「行政には新しい発想による工夫が必要です。知恵を絞って工夫をすることで経費を節約したり、仕事の効率を高めたりでき、税金をもっと有効に使うこともできるわけです。前年の予算実績で翌年の予算が組まれていくような踏襲型の行政は歓迎できません。」
会社経営についても人を大事にするという観点から次のように言っています。「経営にとって大切なのは通常は「人・物・金」と言われますが、私は「人・人・人」だと思います。いい人がいい会社を作り、いい会社での仕事を通していい社会をつくるのです。物・金はその結果としてもたらされるものだと思います」。ある会社では人を大切にせず、使い捨ての物のように扱っていますが、それでは働く人も会社のために頑張ろうと言う気にはならないのではないでしょうか。
夢を持ち続けることの大切さを次のように言っています。「どんな人でも成長の過程で何らかの夢をもつと思います。しかし多くの場合、この夢が途中でなくなってしまうようです。これは夢が逃げ出していったわけではありません。自分が夢から逃げ出したということです。」
とにかく他にもいいことがたくさん書いてある本です。
「幸福への原点回帰」 塚越寛、鍵山秀三郎著 文屋2007年12月28日発行
1400円+税