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「民の見えざる手」を読みました(4月4日)

「民の見えざる手」を読みました(4月4日)_d0021786_2214353.jpg大前研一氏の「民の見えざる手」を読みました。バブル崩壊後の「緊急」経済対策は投じた金額以上の効果をあげていない。なぜなら「均衡ある国土の発展」のために景気浮揚効果の小さい田舎の公共事業に使ってきたからであると言っています。
そして日本の経済を活性化させるには国民の持っているお金をいかに引き出すかにかかっている。1400兆円の国民の個人資産を担保に国は借金を増やし続けており、その解決策として政府は消費税増税を検討しているが、増税してはダメだというのが大前氏の意見である。

国が富むというのは個人が生活を楽しんでいるということである。ところが日本人は「欲望を抑制する」という点で皆が一致しやすい奇特な国民である。団塊の世代の退職金80兆円から借金分20兆円を差し引いても60兆円もある。これを貯金は死ぬまでに使い切るという考え方に転換して、セカンドライフを楽しむようになったらその景気浮揚効果は莫大なものになるといっています。

日本人は年金も生命保険もあるのになぜ定年後もせっせと貯金するのか。いざという時に備えてというが、いざというのはどんなときか。病気になったり、介護が必要になったとき。だが介護が必要になった人は75歳から79歳で僅か15%です。貯金を政府の「いざ」というときに使われてしまうかもしれません(国債のデフォルト)。このような国の「いざ」というときを惹き起こさないためにも自分の人生をエンジョイするために余裕資金を使わなければならないと言っています。

また定年後のセカンドライフを充実したものにする趣味を見つけるためのキーワードは「好奇心」と「向上心」だと言い、好奇心や向上心の源となるものは「異質」との出会いだと言っています。自分とは異質な人、異質な文化、異質な環境と接することで、好奇心が刺激され、向上心も生まれるそうです。

お金は貯める為にあるのではなくて、使うためにあるのだ、増税しなくても財政再建はできるということがよくわかる本でした。東日本大震災で日本中が「縮み志向」になってお金を使わなくなると、日本経済はますます落ち込み、復興のためにもマイナスに作用するのではないでしょうか。
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by irkutsk | 2011-04-04 22:01 | | Comments(0)