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「中国にこれだけのカントリーリスク」を読みました(4月27日)

「中国にこれだけのカントリーリスク」を読みました(4月27日)_d0021786_14361634.jpg邱永漢氏の「中国にこれだけのカントリーリスク」を読みました。この本はインターネットコラム「もしもしQさんQさんよ」の2008年12月25日から2009年4月8日までの分を本にまとめたものです。

アメリカのリーマンショックで世界の株価が大暴落し、それが実体経済へも波及し始めていた頃に書かれたものです。アメリカの衰退と中国の発展がこれからの大きな流れになるだろうと言っていますが、その中でも中国では経済が発展するとどんな産業が伸びていくのか。邱永漢氏は一人っ子政策もあり食糧とアンチ・エージング関連企業が伸びていくだろうと予想しています。工業化が進展する中で農村から都市へと人が移動し、農業人口が減少するのはどこの国の発展段階でも同じことが起こっています。中国でも同じことが起ころうとしています。しかし、13億の人口を抱える中国にとって、食糧問題は非常に大きな問題で、輸入でその不足分を補うとしても13億の半分、7億人の食糧を輸出できる国はそうそうありません。

また日本の問題でも、日本は成熟社会の段階に入ろうとしているが、成熟社会では物を買うだけのお金を持っていても、購買力は自然に衰え始めます。うちの中にはもう物が入りきらないし、食べるものにも限界があります。日本のスーパーは海外へ出て行かざるをえないと邱永漢氏は言っています。

また銀行が事業をやる人の手助けをするという本来の役割を果たさずに、お金でお金を生み出すマネーゲームにお金を使ったり、外国の禿げ鷹に低金利で金を貸し、彼らに日本の優良企業を買収させたりしていることも批判しています。

日銀は超低金利政策を続けていますが、中小企業はお金を貸してもらえず、企業の投資も金利が安いだけでは進みません。それよりも失業者を救済することや預金金利の引き上げ、減税が必要です。消費が増えるような政策をとらない限り、今の不景気からは脱することができません。

そんなときに東日本大震災復興を錦の御旗に増税しようというのでは、ますます景気を悪化させ、日本経済の足を引っ張ることになります。

「中国にこれだけのカントリーリスク」 邱永漢著 グラフ社 2011年3月5日発行
1300円+税
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by irkutsk | 2011-04-27 14:36 | | Comments(0)