「日本で一番満足度が高い会社の非常識な働き方」を読みました(7月30日)
そしてその改革の中身とは何だったのか。
1000社の先輩経営者の話を聞き、うまくいっている経営者の話には3つの共通点があるということに気づきました。
1、社員のために自分の時間を使っている
2、社員についての愚痴や不満を言わない
3、自分の会社、自分の社員のことを楽しそうに話す
利益第一から社員第一へ
いくら目の前に「おいしい仕事」があっても、社員をつぶしてしまう可能性のある無理な仕事なら請けないなど、会社の芯がブレなくなったおかげで、社員が安心して仕事できるようになったと言います。
また社員が満足していない会社は顧客を満足させることができないと考え、「しないこと14カ条」を決めました。「インターネットを活用できないことはしない」「株式公開しない」「他人資本は入れない」「経営理念に共感してくれる会社としか取引しない」「経営理念に沿わないビジネスはしない」「特定の組織や団体に所属しない」「社員を首にしない」「売り上げ目標に固執しない」「サービス向上に妥協しない」「守りに入らない」「高価格なサービスは提供しない」「会社規模を追求しない」「日本にプラスにならない事業はしない」「日本市場だけにこだわらない」
そして社員のために「給料は高く、勤務時間は短く」を作り出すためには高い生産性を実現しなければならないとして、ITの活用で効率化を図るとともに、社員のモチベーションを高く維持するためにさまざまな制度を作っています。
例えば上司と1対1でランチを食べながら面談するランチトーク制度(ランチ代は会社もち)、140km以上実家が離れている社員が実家へ帰る時に14,000円(夫婦の場合は28,000円)補助をするゴーホーム制度(年2回)、21時以後の残業は禁止、iPhoneを全員に支給(月6,000円を補助)。これは隙間時間で仕事の動画を見たり、メールチェック、情報収集、ツイッターで使うためのものです。長期休暇制度は10日間の休暇を年4回確保し、年間の休日は140日と大企業並です。
そして投資すべきコスト・抑えるコストを明確にしています。同じ対価しか得ることができない家賃、光熱費、サーバー代は徹底的に抑え、コストを投資すれば売上が伸びる可能性があるものには投資します。給料、教育、パソコン環境、オフィス環境、宣伝広告費、外部コンサルティングなどは投資すべきコストです。そして3カ月に1回経費の大掃除プロジェクトを実施しています。
社員がストレスなく仕事ができるように仕事環境にも投資しています。他に業務のクラウド化、グーグルカレンダーで全社員のスケジュールを共有する、Gメールを情報資産の倉庫として活用する、ファイル名の命名規則を統一するなど実にいろいろな使えるツールを駆使しています。
これらのことが、利益のためではなく社員のために行なわれているのですから、見習わなければなりませんね。働くことは生活の大きな部分を占めているだけに、そこで快適に高いモチベーションを維持しながら働くことができるというのは幸せなことではないでしょうか。
「日本で一番満足度が高い会社の非常識な働き方」 山本敏行著 ソフトバンククリエイティブ 2010年12月6日発行 1400円+税