「原発はいらない」を読みました(9月14日)
小出さんによると、「安全な原発などはない。すべての原発は危険」。だから私は原発の運転即時停止を求め続けるしかないと言っています。
福島第一原発は2011年に設計寿命の40年を経過し、廃炉しなければならない原発でした。ところが東電は経産省に「技術評価書」を提出し、さらに20年使えるように要望しました。経産省はこれに対し、今年2月にさらに10年間の運転を認めました。原子炉は耐用年数40年で設計されており、常に中性子線を浴びて照射脆化しているので危険極まりないことです。
また原発は危険であるということは国も認めており、そのために法律で過疎地に作ることが義務付けられています。東京に原発は作れないのです。
今回の福島の事故で、国や東電は事故を小さく見せようとしていました。世論が「反原発に雪崩打つことを心配していたのです。そのため原子炉内でメルトダウンが起こっていることを認めず、住民の避難が遅れました。炉の冷却ができなくなって100分ぐらいで水位低下し、さらに20分ぐらいで燃料棒の被覆管が融けて燃料が顔を出し、炉心溶融が起こることはわかっていたはずです。
浜岡原発も津波対策の防波堤の高さを15mにするために停止していますが、今回の福島の事故原因は最初に地震により大口径の配管が断裂したものであり、15mの堤防が完成したからといって再開はありえないと小出さんは言っています。
高速増殖炉「もんじゅ」や六ヶ所村の再処理工場、プルサーマルの危険性についても分かりやすく書かれています。
最後に原子力をやめて自然エネルギーの活用をという声が大きくなっているが、その前にたかが電気のために人類は何をしてもいいのだろうかと考え、エネルギー消費を1970年のレベル(1日当たり6万キロカロリー、現在は2倍の12万キロカロリー使っている)にすることを考えた方がいいのではないかと言っています。大変中身の濃い一冊でした。
「原発はいらない」 小出裕章著 幻冬舎ルネッサンス新書 2011年7月15日発行 838円+税