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「別冊図書館戦争Ⅱ」を読みました(9月18日)

「別冊図書館戦争Ⅱ」を読みました(9月18日)_d0021786_1046885.jpg有川浩の図書館シリーズ最後の作品「別冊図書館戦争Ⅱ」を読みました。
この本ではまず、図書特殊部隊副隊長緒方の過去が取り上げられています。学生時代に知り合った緒方と加代子だが、緒方は国家公務員試験に合格して公務員に、加代子は親のコネで地方銀行に就職した。ところが緒方の配属先は何と法務省メディア良化委員会、良化特務機関だった。緒方はその頃は良化特務機関が何をやっているのかよく理解しておらず、嫌われる部署に配置されたなあくらいにしか思っていなかった。そして、加代子にも職場のことは話してなかったので、彼女は緒方が法務省の内部部局の事務関係の仕事をしていると思っていた。

ところが加代子がデートの時、嬉しそうに一冊の雑誌を取り出して自分の書いた小説が載っていて、明後日発売だと緒方に言う。ところがその雑誌に検閲対象者の作品が掲載されていると言うことで没収されることになっていた。そして発売当日、緒方は書店でその本を片っ端から狩っていくことになった。ある書店で加代子のデビュー作が載ったその雑誌を「この雑誌‥‥一冊だけ、残すわけにはいきませんか」と隊長に言って、殴打され、始末書を書かされることになった。さらに加代子の大学の友人がこの現場を見ていて、緒方のことを話し、加代子は緒方と別れる決意をする。

そして加代子と別れた一ヵ月後、緒方は辞表を出し、司書資格をとり、関東図書隊の防衛部に願書を出した。そして試験に合格し、図書特殊部隊に配属されることになる。元良化特務機関にいた奴が入ってくるということで、いろいろとうわさされ、嫌がらせも受けたが、それを克服し副隊長になっていった。

もう一つ美人で有能な柴崎が今回は犠牲者になり、ストーカーされたり、見えない相手に彼女のプライバシーをばら撒かれたり、誘拐されたりするが、この事件を通じてようやく手塚との愛が実を結び、ハッピーエンドになるというストーリーが最後を締めくくっていた。

本編4冊、別冊2冊の「図書館戦争」、なかなか面白く読めました。登場人物の描き方が非常にうまく、話の展開も軽快で、かつ表現の自由をめぐる問題、図書館が日常抱えている問題などがリアルに描かれていました。

「別冊図書館戦争Ⅱ」 有川浩 角川文庫 2011年8月25日発行 629円+税
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by irkutsk | 2011-09-18 10:46 | | Comments(0)