「「脳の栄養不足」が老化を早める!」を読みました(10月11日)
二つ目はテロメア説。細胞が分裂して若返ることが細胞の機能維持には欠かせない。つまり年齢を重ねて、細胞の分裂できる回数が減っていき、ついには分裂できなくなることで、細胞の機能が低下し、老化を引き起こす。
三つ目は遺伝子説。老化を促進する遺伝子があり、それがプログラムとして組み込まれていることによって老化を引き起こす。
著者は二つ目と三つ目は世界中の科学者たちがいま研究しているところであり、私たちの生活を改善することで何とかなるものではないとして、フリーラジカル説による老化防止の方法を提案している。
老化には体の老化と脳の老化があり、体の老化は血管の老化であり、脳の老化は神経細胞ネットワークの減少によってもたらされるという。そこで脳と血管の老化対策としてフリーラジカルを減らす=抗酸化力を高めることが必要だ。活性酸素の発生要因は紫外線、アルコール、タバコ、糖、ストレス、激しい運動で、フリーラジカルを下げるにはレバーや卵などの高たんぱく、低糖質、ビタミン、ミネラルが必要だという。
フリーラジカルが細胞膜を傷つけると、ビタミンEがそれを修復する。そのときにビタミンEが酸化されてしまう。そしてこの酸化されたビタミンEを回復させるのがコエンザイムQ10とビタミンCだ。コエンザイムQ10は20代を100とすると、30代で70に、80代では50に減少する。食品からだけでは補えなくなり老化が進む。そこでサプリメントにより補給してやることが有効だとのこと。
抗酸化力を高める食品には次のようなものがある。旬の野菜、魚、色の濃い緑黄色野菜(トマト、ホウレンソウ、ピーマン、パプリカ、芽キャベツ、ブロッコリーなど)。果物ではブルーベリー、ラズベリー、プラム、プルーン、キウイ、ぶどう、いちごなど。
歳を取ると肉類を食べなくなるが、これも脳の老化防止にはよくないそうだ。また塩分控えめが流行っているが、腎臓におけるナトリウム排泄機能が低下していなければ、控える必要はない。あまり塩分を控えるとナトリウム不足から、だるさや疲労感を感じるようになる。
何かをしようという意欲を司るのは、脳内神経伝達物質のドーパミンである。ドーパミンを作るためにはたんぱく質をたっぷり供給しなければならない。そのためには肉食が必要だ。
年を取って、あっさりした野菜ばかりをたべているとますます老化していくということがよく分かる本でした。
「「脳の栄養不足」が老化を早める!」 溝口徹著 青春新書 2009年11月15日発行 770円+税