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「原発の闇を暴く」を読みました(10月19日)

「原発の闇を暴く」を読みました(10月19日)_d0021786_22592579.jpg福島原発事故をめぐる東電・政府・マスコミ・御用学者の犯罪性を辛らつに告発した本である。広瀬氏は、彼らは「法律上『未必の故意』に該当する犯罪者であって、被害者に代わって四方がその罪を裁かなければならないはずだ。未必の故意は過失とは違う。起こりうる危険性を知っていながら、それを放置して、大事故が起こるべくして起こった、ということだ」と指摘する。

また六ヶ所村の再処理工場には3000トンの巨大プールがあり、そこに使用済み核燃料を受け入れているのだが、そこがもうアップアップで満杯だという。そんな六ヶ所村再処理工場で震災から一ヵ月後の4月7日に最大の余震が起こり、外部電源が遮断され、かろうじて非常用電源で核燃料プールや高レベル放射性廃液の冷却を続けることができた。原発100基分の放射能が漏れ出したら日本全体が汚染されて、人が住めなくなる。

アメリカやフランスも諦めた再処理を日本だけがまだやろうとしている。日本がなぜこれほどまでに再処理にこだわるのか。核兵器を作ることができる98%の高濃度濃縮プルトニウムを作ることが本当の目的ではないか。

また事故直後にマスコミに出てくる学者といわれる人たちがみんな安全、大丈夫、体に影響が出るほどではないなどと言っていたが、そういう学者しかメディアに出してもらえないのだ。マスコミのスポンサーが電力会社だからだ。

今回の事故の責任は東電と政府にあるにもかかわらず、復興税だ、消費税だといって増税をたくらみ、電気料金の値上げも目論んでいる。加害者が賠償するのではなく、被害者が賠償金や復興のための費用を貢がされるという馬鹿な話になろうとしている。

そして最後に東電は事故直後から「計画停電」などという経営責任放棄をして、電力不足キャンペーンを大々的に繰り広げた。電気は原発が全部止まっても十分足りている。それなのに事故を契機に反原発の世論が盛り上がるのを抑えるために、電力不足、最悪の場合は計画停電もと脅しをかけ、「やっぱり原発を動かさないと国民の生活に支障が出る」という世論作りを、マスコミを総動員して行なってきた。マスコミも独自の調査もすることなく電力会社の言うがままにこのキャンペーンの片棒を担いだ。

発送電の分離も事故直後に言われていたが、その後すっかり影を潜め、検討すら行なわれていない。地域独占と発送電一体が自由な競争を阻害し、いくら金がかかっても儲けが必ず出るという構造の為、電力自由化は一向に進まない。

日本の原子力をめぐる利権、そして金儲けのためには人の命などなんとも思っていない人たちが大きな顔をしてのさばっている今の日本の現状を厳しく批判し、今後のエネルギーとして太陽光や浮力ではなく、天然ガスを利用した火力発電、燃料電池の普及が必要だと言っています。

「原発の闇を暴く」 広瀬隆・明石昇二郎著 集英社新書 2011年7月20日発行 760円+税
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by irkutsk | 2011-10-19 22:58 | | Comments(0)