「中国 次のテーマは食糧不足」を読みました(11月9日)
2008年のリーマンショックから半年が過ぎ、実体経済にも影響が出始めた頃に書かれたコラムです。彼は「国際的金融不安の次に起こるのは世界的な工業生産業界の豊作貧乏だ」と言っています。農業は天候と天変地異で、工業は需要と供給のアンバランスで豊作貧乏が起こると言っています。
資本主義というのは需要と供給のアンバランスが常態であり、「神の見えざる手」により段々とそのアンバランスはバランスが取れた状態に落ち着くというのが古典派経済学でしたが、今の資本主義社会はちょっと違うようですね。資本家があまりにも自分たちの取り分を多くして、労働者の取り分を絞ったために、労働者が今までどおりに消費できなくなったことによる需給バランスの崩壊が原因ではないかと私は思います。
社会主義陣営があったときには、資本家もその存在を無視できず、労働者にも一定の配分をしていましたが、社会主義陣営が崩壊してからはやりたい放題で経済的格差がどんどん広がっていき、アメリカ社会では大きな問題になっているようです。
さて、この本の中では中国の経済発展が農村人口の減少、食生活の高級化を招くので、次の成長産業の一つは食品産業であるといっています。また経済発展に伴って廃棄物処理や下水処理、上水事業なども今後発展するだろうと言っています。
中国経済がよくわかる本でした。
「ハイハイQさんQさんデス」のURLはこちらです。
http://www.9393.co.jp/
「中国次のテーマは食糧不足」 邱永漢著 グラフ社 2011年4月5日 1300円+税