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「気楽なさとり方」を読みました(1月31日)

「気楽なさとり方」を読みました(1月31日)_d0021786_1712319.jpg宝菜有菜さんの「気楽なさとり方」を読みました。
禅の修行の道筋を示した「十牛図」に従っていかに悟りを開くかについて書かれた本です。人の心の中に住む牛をいかに見つけ、それを手なずけるかが十牛図のイラスト入でわかりやすく書かれています。笑雲先生と弟子の小松茸のやりとりが面白く、それでいていかに心の中の欲を見つけ出し、それと折り合いをつけて生きていくと幸せな人生が送れるということを小松茸の妄想を分析してわかりやすく解説しています。

十牛図とは1尋牛 牛の探索(欲は捨てられないもの)、2見跡 足跡を見つける(欲を発見する)、3見牛 牛を認める(欲を観る)、4得牛 牛を捕らえる(欲を捕まえる)、5放牛 牛を手なずける(欲を手なずける)、6騎牛帰家 牛に乗って我が家に帰る(欲を飼い慣らす)、7忘牛存人 牛を忘れる(欲を手放す)、8人牛倶忘 牛も自己を忘れる(自分が消える)、9返本還源 源に還る(普通に生活する)、10入廛垂手 普通で至福(愛からの奉仕)からなっています。

欲を捨てることはできない。「欲」とは何かをよく観る。そして「欲」の本質を探る。よくの基本形は、1取りたい(得たい、知りたい)GET、2持ちたい(保ちたい、忘れたくない)HOLD、3もっと(より多く、もっと欲しい)MOREです。

褒美を期待して何かをするということは欲に捕まっている状態です。全く期待のないところに真の幸福があるのです。期待しなければ裏切られる不安もありません。従って自動的に幸福になります。

そしてもう一つ「大肯定」が無自覚のうちにマインドが自動反応しない方法です。「何でも受け入れる」「何でも許す」「何でも拒否しない」「何でも楽観的に考える」「何でも感謝する」です。とにかく何でも「ありがたい」にもっていきます。そうすればマインドはその方向に誘導されます。

そして「愛」です。自分自身が愛の人で愛を与え続けることのできる人になることです。無限、無償の愛は、相手の幸福だけを最大限に考えていることです。自分の「欲」を取り除くと「愛」が現れてきます。

「欲を手放す」という訓練をするのではありません。「捨てる」はすぐにできません。欲にすばやく気づくというのが正解です。尊敬して欲しいと思えば、尊敬してあげる、お金が欲しいと思えば、お金をあげる。

人間はもともとみんな幸せな状態が普通なので、それをマインドが「心配」や「後悔」や「もっともっと」を次々に発生させるから幸せを感じられなくなるのです。だからそれをやめればいいのです。

「さとる」とは、この世間の中で普通に生活し、しかもどんな欲にも捕らわれていない状態のことです。表面的には普通にあくせく生活しているけど、心の中はどんな苦しみからも自由になっている、超越している状態のことです。

とても勉強になる本でした。

「気楽なさとり方」 宝菜有菜著 日本教文社 1997年1月25日発行 1267円+税
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by irkutsk | 2012-01-31 17:12 | | Comments(0)