「うま味って何だろう」を読みました(3月16日)
食べ物の記憶は味だけでなくそれを食べた時の状況も一緒に記憶されるので、いい思い出と共に食べた食べ物の味はおいしく、イヤな状況で食べたものはまずく感じられるそうだ。
また食物の味はアミノ酸の組み合わせで決まっているが、食塩が存在しないとアミノ酸の味をほとんど引き出せないという。したがって一定濃度の食塩は食物のおいしさに不可欠だ。
魚をしめたあとのうま味の増加についても、うま味成分であるイノシン酸は死後3~4時間から急速に増え始め、8~10時間で最大値に達すると書かれています。はまちの場合歯ごたえとイノシン酸含量の増加との兼ね合いでしめてから8~10時間が「食べごろ」と言えます。
干ししいたけを戻すときは、グアニル酸が分解されないように気をつけなければなりません。お湯で戻すとグアニル酸がこわれてしまうので低い温度の水に長時間浸すことが必要です。調理する時には一気に60~70℃ぐらいに温度を上げることがおいしさを壊さないコツだそうです。
うま味について科学的に書かれた本でちょっと難しい内容でしたが、うま味が世界中で受けいれられ、日本料理が全世界に広まっていることがよくわかる本でした。
「うま味って何だろう」 栗原堅三著 岩波ジュニア新書704 2012年1月20日発行 820円+税