「世界を歩いて考えよう」を読みました(6月24日)

d0021786_14361335.jpgちきりんの「世界を歩いて考えよう」を読みました。「ちきりん」とは一体どういう人なのか。本の著者紹介によると、関西人の女性。バブル最盛期に証券会社で働き、その後米国の大学院留学を経て外資系企業に勤務。2010年に早期リタイヤし、現在は『働かない生活』を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など約50カ国を旅している。

さて、この本はちきりんが約50カ国を旅して考えたこと、わかったことをまとめた一冊です。切り口がいくつかあり、その切り口ごとに章立てがなされています。第1章は「お金から見える世界」。ちきりんが1980年代にビルマを旅行したとき、両替義務というのがあり、滞在日数×1万円を現地通貨に両替しなければならなかったそうである。ところが貧しいビルマで毎日日本円で1万円も使うところがない。結局この両替は一種の寄付、もしくは税金のようなものだという話。「お金とは価値あるモノが存在しない環境ではなんら意味を持たない」。

同じ章で、南米で買物をしようとすると、売り場に行ってこれがほしいと言うと、値段を書いたメモをくれ、それを持って奥にあるガラスで囲まれた小さな穴の開いた、日本の鉄道の切符売り場のようなレジに行き、お金とメモを渡す。するとレシートをくれ、それを持ってまた売り場へ行ってレシートを渡すと、やっと商品がもらえるというややこしいシステムのことが書いてあった。これはロシアを始めとする共産圏の国々も同じで、いくつかの買物をするにはそのたびにレジと売り場を往復しなければならず、不便なことこの上ない。ではなぜこんな面倒なシステムをとっているのか。ちきりんが明らかにしてくれました。第一に現金を扱うことの重要さが日本とは全然違う。レジをガラスで囲んで店の奥に設置するのは強盗対策。第二に商品売り場で店員が客から直接お金を受け取るとネコババする店員が出てくるということでした。

また1984年に紙幣のデザインが一新され伊藤博文が1,000円札から消えた理由を次のように判断しています。ソウルオリンピックが1981年に決定し、1988年に開催されることとなったからであると。伊藤博文は韓国統監府の初代統監で、彼を暗殺した安重根は韓国では英雄である。そんな伊藤博文が描かれた1,000円札を持って日本人がソウルオリンピックを見に行くということはまずいという政治的判断でお札が一新したという。表向きの理由は「偽造防止」だったが。

そのほか「異国で働く人々」、「人生観が変わる場所」、「共産主義国への旅」、「ビーチリゾートの旅」、「世界の美術館」、「古代遺跡の旅」、「恵まれすぎの南欧諸国」、「変貌するアジア」、「豊かであるという実感」、「旅をより楽しむために」などの切り口で彼女が訪れた国々から学んだこと、考えたことが書かれたおもしろい本です。

「世界を歩いて考えよう」 ちきりん 大和書房 2012年5月30日発行 1300円+税
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by irkutsk | 2012-06-24 14:36 | | Comments(0)