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「愛しの座敷わらし」を読みました(6月30日)

「愛しの座敷わらし」を読みました(6月30日)_d0021786_2230910.jpg 少し前まで映画をやっていたのですが、最近は忙しくてなかなか映画も見に行けないので図書館で本を借りて読みました。

 東京に住むごく普通の家族。食品会社で働く晃一は仙台にある支店へ転勤になる。そこで家族を連れて引っ越すことになるのだが、晃一が選んだ転居先は仙台から電車に乗り、駅からさらに自転車で20分はかかるという不便なところにある築200年という古民家だった。

妻の史子、中学2年の梓美、小学校4年の智也、そして晃一の母の澄代、そして食品会社の課長をしている晃一の5人家族はそれぞれに問題を抱えていた。晃一は残業と休日出勤で家庭のことなどあまり顧みない会社人間だった。妻の史子は周りに何もない田舎暮らしに不平と不満を抱え、老人ばかりの近所づきあいにもうんざりしていた。晃一の母澄代は最近ボケが始まったような様子。娘の梓美は学校で人付き合いがうまくできず、転校先での人間関係を考えると落ち着かない。息子の智也は喘息の持病があったためにスポーツを母親に禁じられ、やりたいサッカーもやれなくて不満だった。

 最初に座敷わらしの姿を見たのは梓美だった。鏡の中に移った座敷わらしを見て、悲鳴を上げて2階から駆け下り、両親の部屋で一緒に寝ると言う。智也は座敷わらしを見て近所の子が迷ってうちに入り込んだんだと思って、4歳ぐらいに見える座敷わらしと遊んでやるのだった。ばあばの澄代は子どもの時に亡くなった弟の六助が自分を迎えに来たのだと思い込む。そして史子は鏡に映った座敷わらしの姿を見て、自分の頭がおかしくなったのだと思う。

 そして座敷わらしの住む古い家に住むことになったこの一家の運命はどうなるのか。面白くてどんどん読み進むうちに、座敷わらしの悲しい存在理由が明らかにされる。想像力を働かせながら本を読むのもいいが、映画も見てみたい気がしました。

「愛しの座敷わらし」 萩原浩著 朝日新聞出版 2008年4月30日発行 1800円+税
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by irkutsk | 2012-06-30 22:29 | | Comments(0)