「平和をつくる教育」を読みました(9月24日)
コスタリカは中米パナマの西隣にある小国で、人口3500万人、大きさは四国と九州を合わせた程度です。1949年11月7日施行された新憲法で常備軍を廃止し、半世紀以上にわたって非武装を国是としてきました。
足立さんはコスタリカで10歳の子供に次のようなことを教えられたと言っています。
「民主主義じゃない社会は平和ではないというのは当たり前だ。自分の意見を自由に言えないというのは何らかの圧力がるということで、これは人権が侵害されているということだ。環境悪化(=資源破壊)も社会が悪くなる。資源をめぐって争いが起こるからだ。
コスタリカでの平和教育はポジティブなものです。日本で平和教育というと反戦教育(ネガティブなものをネガティブに伝える)だと思われているが、平和とは楽しく幸せなもの、「平和はいいですよ」というやり方のほうが子供たちにとっても未来像を描きやすいのです。
コスタリカでの平和教育プロジェクトは3つの柱からなっています。1自分自身との平和、2他の人々との平和、3自然との平和です。1の自分自身との平和はさらに次の3つからなっています。第1に精神における平和、これは自分の価値を認識し、確立することです。他人と比べてどうであるかという相対的価値観ではなく絶対的価値観として自分に至上の価値を見出すということです。第2に心における平和。これは愛情です。心の平安は愛情によって生まれます。いかなるものに対しても愛をもって接する態度です。第3に身体における平和です。これは健康です
これらの平和教育が基礎になって、民主主義が根付き、環境破壊がなく、結果として平和な社会を作り出しているのだと思います。
著者のお二人は「軍隊を捨てた国」というドキュメンタリー映画を作っています。
「平和をつくる教育」 早乙女愛・足立力也著 岩波ブックレットNo.575 2002年8月20日発行 480円+税