「スタートライン」を読みました(10月15日)
最初の授業で宮下先生は二つの英文を黒板に書いた。それは「あなたが見たいと思う変化に、あなた自身がなりなさい」、「明日死んでしまうかのように生きなさい。そして永遠に生き続けるかのように学びなさい」だった。ほかにも宮下先生は「自分のやりたいことに挑戦する勇気を持った人にとっては、未来には、今お前らが考えている以上に、楽しいことであふれた毎日が待っている」とかいろいろと話してくれ、「未来は明るい」と感じさせてくれる唯一の大人だった。
そして3年生になると、東京から転校生がやってきた。名前は長森真苗。小学校まで四国のこの町にいたという。三年生になって二週間後、席替えがあり、大祐と真苗は隣同士になった。かわいい子がとなりにすわっているという、ただそれだけで人生がバラ色に輝いて見える大輔だった。そして彼女と少しずつ話すようになり、彼女に誘われてデートすることに。だんだん二人の距離が近づき、大祐は真苗に講演会に誘われて一緒に出かけた日、帰ってきてバスを降りた時に、彼女に告白するのだが…。
次の「十八歳のわたし」では、同じ出来事が真苗の側から描かれている。彼女は大祐の告白にどう答えるのか…。
二人の若者の恋愛ストーリーの中に著者の読者へのメッセージがあちこちに散りばめられている。ストーリーの面白さと合わせて、自分の生き方を考えさせられるいい本でした。
「スタートライン」 喜多川泰著 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2012年7月15日発行 1400円+税