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「六月の輝き」を読みました(11月11日)

「六月の輝き」を読みました(11月11日)_d0021786_22444819.jpg乾ルカの「六月の輝き」を読みました。幼なじみの美奈子と美耶。11歳の夏、美耶のある能力がふたりの関係に影を落とす…。

隣同士で仲良しの美奈子と美耶だった。学校の教室で、美耶の前の席に座っていた美奈子は後ろを振り向き、美耶の机の上にて置いた拍子に、美耶が出していたカッターナイフで手を切ってしまう。保健室に行くが傷が深いということで病院へ連れて行かれふた針縫われた。そして病院から戻って教室に行くと、美耶は「ごめんね」と大粒の涙を流しながら美奈子の手を取って謝るのだった。すると突然美耶の手のひらが熱くなって脈打つごとにいたんでいた痛みが薄らいだ。包帯をとってみると跡形もなく傷が消えていた。

その時から美耶が傷を治すことができる神の子だという噂が広まり、たくさんの人が病気を治してもらおうとやってきた。美耶の父親は仕事をしていなかった。時々工場で働いていたが作業中に大怪我をして右足の膝から下をなくしてしまった。以来パチンコ屋に入り浸っているかと思うと何カ月も姿を見せない。そんな父親が娘の能力を利用して金儲けを始める。

ある日、レストランを営む美奈子の父が帰宅するなり急に頭が痛いと言って倒れた。119番に電話したがすぐには救急車は来ない。美奈子の母は「そうだ、美耶ちゃんの家」と口にする。そして隣家の戸を叩き美耶に助けてもらおうとする。ところが出てきた美耶の父は300万出せと要求する。美耶は夜遅くてもうぐっすりと眠っていた。そこへ救急車がやってきたので美耶の家を後にした。結局父は帰らぬ人となってしまった。

美奈子はどうして美耶は起きて父を助けてくれなかったのかと恨む。そして今までの友情にヒビが入ったのだった。二人の友情はこの試練を乗り越えることができるのか。美耶の持つ特別な能力はなんなのか。その力を使うことによって美耶はどうなるのか。

二人を取り巻く人たちのが心の思いを語るという形式で物語は進み、さいごにまた美奈子の視点から書かれた章で終わる。

非常におもしろい本でした。

「六月の輝き」 乾ルカ著 集英社 2011年1月30日発行 1400円+税
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by irkutsk | 2012-11-11 22:45 | | Comments(0)