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「怒らないこと」を読みました(12月5日)

「怒らないこと」を読みました(12月5日)_d0021786_11125568.jpg初期仏教であるテーラワーダ仏教の長老アルボムッレ・スマナサーラ氏が書いた本です。

人間は「怒り」と「愛情」で生きている。「怒り」というのは「愛情」と同じく心にサーっと現れてくるひとつの感情であるといっています。そして「怒り」が生まれると「喜び」を失うのだと。

彼は怒りの種類を次のように分類して紹介しています。
1、ヴェーラ(強い怒り)
2、ウパナーヒ(怨み)
3、マッキー(軽視する性格)いつでも自分のことを高く評価して、他人の良いところを軽視してみる性格
4、パラーシー(張り合うこと)他人と調和して生きることができない。いつも他人と競争し、倒そうという気持ちで他人に打ち勝つ気持ちで生きている性格。
5、イッスキー(嫉妬)他人の良いところを認めたくない気持ち
6、マッチャリー(物惜しみ)俗に言うケチということです。
7、ドゥッバチャ(反抗的)他人にあれこれ言われると拒絶反応が起こること。
8、クックッチャ(後悔)後悔と反省は違います。過去の失敗・過ちを思い出しては悩むというのはかなり暗い性格です。
9、ビャーパーダ(激怒)異常な怒りのことで、並外れて強烈な怒りで、人を殴ったり、殺したりする場合もあります。

そしてこの世の中にある、ものを作り上げる創造の源泉は愛情で、創造したものを破壊していくのは怒りの感情だといっています。

感情というものは、外部から大きな影響を受けますが、それもこれもひっくるめてやはり根本においては個人しだいです。

そして「怒り」が心の中に生じたらどうしたらいいのか。自分の中に「あっ、怒りだ。怒りだ。これは怒りの感情だ」とすぐ自分を見てくださいと言っています。そうすると怒りは生まれたその瞬間に消えてしまうそうです。

最後に彼は次のように言っています。「短い人生ですから常に明るく、常に楽しく生活していきたいものです。苦しがったり、悩んだりする必要はありません。心構えしだいで誰もが幸福に生きられるのですから。そのためには我々の不幸を作り出す「怒り」だけは決して心の中に入らないようにすることです。そうすればその場ですぐ、その瞬間に我々は幸福を味わうことができると思います。」

非常にためになる本でした。世の中、怒っている人が多すぎます。その怒りのヘドロがマスコミや社会を通じて増幅され人々の心をますます暗く、そして壊しているような気がします。

書き忘れていましたが、怒りを治めるためには智慧が必要で、その智慧と相性がいいのが「笑い」だとも言っていました。「怒り」と「笑い」は両立しないから、怒らないでいるためには、とにかくよく笑うようにしてみるといいそうです。

「怒らないこと」 アルボムッレ・スマナサーラ著 サンガ新書003 2006年8月20日発行 700円+税
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by irkutsk | 2012-12-05 11:13 | | Comments(0)