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「闇の守り人」を読みました(4月3日)

「闇の守り人」を読みました(4月3日)_d0021786_15351716.jpg3月9日のブログで紹介した「精霊の守り人」の続編です。主人公のバルサは短槍使いの女用心棒。彼女はもともとカンバル王国の出身でわけあって新ヨゴ皇国へ逃れていた。そのわけというのは、次のようなものだった。

バルサの父カルナはカンバル王国のナグル王の主治医だった。カンバル王国の権力を握りたいナグル王の弟ログサム王はナグル王を毒をもって殺害するようにカルナに命じた。もし、王の毒殺に失敗したり、秘密をもらす気配を見せれば、即座に娘を殺すと脅された。そしてログサム王の恐ろしさを知っていたカルナは、娘の命を守るためにナグル王を毒殺したのだった。

カルナは口封じのため自分や家族も殺されると思い、娘のバルサを親友のジグロに預け、カンバル王国の外へ連れ出してもらったのだった。その数日後、カルナはログサム王の手配の者に殺された。

そしてログサム王は、ジグロは王城の奥の間にしまわれている九人の<王の槍>たちの短槍の金の輪を盗んで国外に逃げてしまったと言って、彼から金の輪を取り返すために多くの刺客が送り出された。金の輪は<王の槍>の象徴。9氏族と王家のきずなを象徴する大切な宝だった。

バルサは6歳でジグロと共にカンバル王国を脱出し、25年ぶりにカンバル王国の土を踏んだ。それは、いまでもジグロの行方を気づかっている親族や友人に何があったのか、本当のことを伝えようと思って戻ってきたのだった。

ところが新ヨゴ皇国からカンバル王国へ抜ける洞窟の中で、ヒョウル<闇の守り人>に襲われている二人の子ども出くわしてしまう。バルサの助けによって二人の子どもは助かるが、子どもたちが持ち帰ったルイシャ(青光石)によってバルサの存在が知られてしまい、バルサは追われる身となる。

そんな折、カンバル王国と<山の王>との<ルイシャ贈りの儀式>が行われようとしていた。カンバル王国は貧しい山国であったが、この<ルイシャ贈りの儀式>で手に入れた輝く宝石ルイシャを売って氏族領の人々の穀物をまかなっているのだった。20年に一度行われるこの儀式が、15年も遅れて今、行われようとしているのだった。

ところが、ログサム王亡き後、王位を継いだラダール王は神経質で内気な性格だった。そしてそれを良いことにユグロは今回の<ルイシャ贈りの儀式>の時に兵を率いて攻め入り、ルイシャを手に入れれば、ずっとカンバル王国は飢える心配がないと王に進言しその準備をすすめていた。

それを止めさせようとする、山の王の監視役である牧童たち、ヨンサ氏族の長老ラルーグはバルサとカッサを、洞窟を通って<ルイシャ贈りの儀式>が行われる場所へと向かわせるのだった。そして<ルイシャ贈りの儀式>が始まる中、彼らが見たものは…。ヒョウル<闇の守り人>の正体はなんだったのか。

子ども向けに書かれた本であるが、グイグイと話の中に引き込まれ、ラストシーンは圧巻でした。

「闇の守り人」 上橋菜穂子著 偕成社 1999年2月発行 1500円+税
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by irkutsk | 2013-04-03 15:35 | | Comments(0)