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「男のおばあさん」を読みました(8月13日)

「男のおばあさん」を読みました(8月13日)_d0021786_9405173.jpg永六輔さんの「男のおばあさん」を読みました。今年80歳になる永六輔さんだが、3年前にパーキンソン症候群だと診断され、現在はパーキンソン病であるが、ラジオ番組は続けている。

パーキンソン病とはどんな病気なのか。彼の経験からいうと、右手が動かない。ということはお箸がもてない、字がかけない。そしてリスナーから次のような小言があった。
・話がはっきりしない
・話を聴いていて聴きにくい
・声が小さい
動作が緩慢になる。つまり筋肉がこわばる。
すべての反応が遅くなる。「おはよう」と言われても、返事をするのが遅くなる。
歩くときに小刻みに歩くようになる。時々突進歩行になる。歩くときに腕を振らなくなる。
立ちくらみが増える。視界が回り始める。
物が飲み込めなくなる。したがって唾液がよだれになってしまう。

パーキンソン病は原因、治療法も不明の難病で、症状を緩和したり、進行しないようにする治療が行われているそうだ。

療養のポイントとして次のようなものを挙げています。
1、病気や薬の理解を深め無用な恐れを持たないようにしましょう。
2、震える、字が書きにくいなどにあまりこだわらないようにしましょう。
3、よい家族関係を保つことに努めましょう
4、仕事・趣味・社会参加、患者交流会などは積極的にしましょう。
5、特別のリハビリは不要で日常生活が運動です。
6、住環境の整備―物をたくさん置かない。空間を広く、段差を作らない、電気のコードなどを片付けましょう。
7、特別の食事療法は不要です。
8、病をバネに病の前よりよい人生を送られている人もたくさんおられます。
9、できるだけの範囲で身の回りのことを自分で行いましょう。
10、趣味を生かして楽しみながら身体を動かしましょう。
11、積極的に外に出ましょう。
12、リハビリを行って、身体を動きやすくして、日常生活に必要な動作の改善を目指しましょう。
13、仕事はなるべく続けましょう。

パーキンソン病の4大症状とは1、筋肉が硬くなる(靴下がはけない)、2、手先などが震える(字がかけない、お箸がもてない)、3、動作が遅くなる(でもゆっくりすればいいんです)、4、姿勢を保つことが困難になる(落ち着きがなく立ったり座ったりする)です。ほかにも小刻み歩行、すり足などの歩行障害、よだれが出てくる(嚥下力の低下)などもあります。

この難病にかかった永六輔さんですが、楽しく病気のことを話しています。納豆が大好きな永六輔さんですが、薬の関係で納豆は禁止されました。でも食べたいと医者に言うと「この世の中に納豆がないものと思ってください」と言われたとか、「笑うのって難しいです。人を笑っているんじゃないから。どちらかっていうと、自分を笑って、笑い飛ばして、その痛みとか苦しいのから逃げるっていう場合もあるから」と言っています。

この本の中で気に入った部分をいくつか紹介します。
「リハビリが大変なのはね、楽しみがないからなんです」
「不思議なもんで、治療の間に、おかしな話をしたり、おかしなことが起きたりして、笑うでしょう。笑っていると、痛みが消えるんですよ、笑ってる間は。」
「痛みの感覚っていうのは不思議なもんで、笑うと薄らぐとか、他で痛い思いをすると和らぐとか、いろいろある。」
「度忘れと物忘れの違いってわかりますか?歌が思い出せないとか、人の名前が思い出せない。でも頑張ると、思い出せる場合があるじゃない?それは物忘れ。目の前にいる人の名前を一瞬忘れてしまうのが度忘れ。」

なんだかパーキンソン病の話ばかりの本でした。彼の考えることの大半を病気のことが占めているんでしょうね。自分がもしパーキンソン病になったらこの本のおかげで早期発見ができるかも。

「男のおばあさん」 永六輔 大和書房 2013年6月25日発行 1400円+税
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by irkutsk | 2013-08-13 09:40 | | Comments(0)